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Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2021.06.18

Azumi setoda・yubune竣工報告② ~内装設計~

Ms日記をご覧の皆さん、こんにちは。

6月も中旬に入り、日増しに蒸し暑くなってきましたね。

さて、本日はこの春オープンした『Azumi setoda(アズミセトダ)/広島県尾道市瀬戸田町』の

竣工報告②をさせて頂きます。

担当は、上野です。

今回は、”内装設計”がテーマです。

Azumiには、宿泊室が22室あります。

新築の鉄骨造2F建てのフレームなかに、木で内装を設計しました。

(=スケルトンインフィルという手法です)

設計は、六角屋(三浦史朗氏)+Azumi setoda設計チーム。

マスターアーキテクツである三浦氏のもと、このプロジェクトのために特別に組まれたチームです。

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                                     Photo Tomohiro Sakashita

「日本の素木(しらき)で客室をつくりたい」

設計初期に、クライアント&三浦氏から提示されたコンセプトです。

杉と桧。

日本を代表する、繊細で、柔らかさのある針葉樹のみを用いての設計です。

素材がそのまま仕上げとなるため、木材の段取りも含めて、設計チームの仕事となりました。

上写真の客室は、広さ約50㎡のタイプです。(1Fベーシックタイプ)

雪見障子の外には、坪庭があります。

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                                     Photo Tomohiro Sakashita

100角の柱・鴨居には、「赤杉」の柾目材を用いました。

このプロジェクトのために、吉野の林産地に協力していただき、

100年生の原木から、より選りの材を調達しました。

もう一つ、大切な要素が「家具」です。

材は、桧です。こちらも、特別に、柾目で巾はぎ板を製作しています。

モックアップを製作しながら、何度も打合せを重ねてつくり込みました。

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                              Photo Tomohiro Sakashita

客室の間口いっぱいに、奥行2Mの坪庭があります。

(作庭:WASO/西之園氏)

高さ6Mの垣根によりプライバシーを保ちながら、光・風をコントロールします。

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                                     Photo Tomohiro Sakashita

2F客室の水廻り空間です。

1Fとは異なり、壁側に洗面台をつくりました。

浴室の外には、小さなテラスがあり、湯上りに涼むことができます。

浴槽は、「木曽桧」。

床は「福光石(床暖房付)」です。

技術的に難しい防水や排水など、施工チームと打合せを重ねて、すっきり納まりました。

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                                     Photo Tomohiro Sakashita

メゾネットタイプの2F和室です。

広さは約70㎡あり、屋外テラス(ソファ付)があります。

堀炬燵の机は、床下に収納することができるので、布団を敷くこともできます。

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                                     Photo Tomohiro Sakashita

静かで控えめな印象ですが、シンプルで心地よい宿泊室となりました。

本プロジェクトでは、専門分野の異なる多彩なメンバーと競演することで、

多くの学びがあり、仕事の質を高めることができたように思います。

私たち、木を得意とするMsチームとして。

今後も、プロジェクト型のチーム設計に積極的に参画していきたいと思います。

上野耕市

◇より詳しい建築情報は、以下の雑誌に掲載されております。

新建築 2021年6月号

https://japan-architect.co.jp/project/azumi-setoda%EF%BC%8Byubune/

商店建築 2021年5月号

https://www.shotenkenchiku.com/products/detailp.php?itemid=3547