Azumi setoda・yubune竣工報告② ~内装設計~
Ms日記をご覧の皆さん、こんにちは。
6月も中旬に入り、日増しに蒸し暑くなってきましたね。
さて、本日はこの春オープンした『Azumi setoda(アズミセトダ)/広島県尾道市瀬戸田町』の
竣工報告②をさせて頂きます。
担当は、上野です。
今回は、”内装設計”がテーマです。
Azumiには、宿泊室が22室あります。
新築の鉄骨造2F建てのフレームなかに、木で内装を設計しました。
(=スケルトンインフィルという手法です)
設計は、六角屋(三浦史朗氏)+Azumi setoda設計チーム。
マスターアーキテクツである三浦氏のもと、このプロジェクトのために特別に組まれたチームです。
Photo Tomohiro Sakashita
「日本の素木(しらき)で客室をつくりたい」
設計初期に、クライアント&三浦氏から提示されたコンセプトです。
杉と桧。
日本を代表する、繊細で、柔らかさのある針葉樹のみを用いての設計です。
素材がそのまま仕上げとなるため、木材の段取りも含めて、設計チームの仕事となりました。
上写真の客室は、広さ約50㎡のタイプです。(1Fベーシックタイプ)
雪見障子の外には、坪庭があります。
Photo Tomohiro Sakashita
100角の柱・鴨居には、「赤杉」の柾目材を用いました。
このプロジェクトのために、吉野の林産地に協力していただき、
100年生の原木から、より選りの材を調達しました。
もう一つ、大切な要素が「家具」です。
材は、桧です。こちらも、特別に、柾目で巾はぎ板を製作しています。
モックアップを製作しながら、何度も打合せを重ねてつくり込みました。
Photo Tomohiro Sakashita
客室の間口いっぱいに、奥行2Mの坪庭があります。
(作庭:WASO/西之園氏)
高さ6Mの垣根によりプライバシーを保ちながら、光・風をコントロールします。
Photo Tomohiro Sakashita
2F客室の水廻り空間です。
1Fとは異なり、壁側に洗面台をつくりました。
浴室の外には、小さなテラスがあり、湯上りに涼むことができます。
浴槽は、「木曽桧」。
床は「福光石(床暖房付)」です。
技術的に難しい防水や排水など、施工チームと打合せを重ねて、すっきり納まりました。
Photo Tomohiro Sakashita
メゾネットタイプの2F和室です。
広さは約70㎡あり、屋外テラス(ソファ付)があります。
堀炬燵の机は、床下に収納することができるので、布団を敷くこともできます。
Photo Tomohiro Sakashita
静かで控えめな印象ですが、シンプルで心地よい宿泊室となりました。
本プロジェクトでは、専門分野の異なる多彩なメンバーと競演することで、
多くの学びがあり、仕事の質を高めることができたように思います。
私たち、木を得意とするMsチームとして。
今後も、プロジェクト型のチーム設計に積極的に参画していきたいと思います。
上野耕市
◇より詳しい建築情報は、以下の雑誌に掲載されております。
新建築 2021年6月号
https://japan-architect.co.jp/project/azumi-setoda%EF%BC%8Byubune/
商店建築 2021年5月号
https://www.shotenkenchiku.com/products/detailp.php?itemid=3547