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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2024.11.02

しそうの森の木に行ってきました!

Ms日記をご覧のみなさま、こんにちは。雨が降ると朝晩は冷え込むようになってきましたが、元気にお過ごしでしょうか。街の木々もようやく少しずつ色づき始めたようで、毎朝、変化を楽しんでいます。

さて、先日、兵庫県宍粟市にあるしそうの森の木さんへ材料の引き取りを兼ねて、見学に行ってきましたので、今週のエムズ日記ではそれについて書きたいと思います。しそうの森の木さんは、構造材や構造材のプレカット、建具に使うパネルなどでお世話になっており、もう何度も見学に行かせいただいていますが、毎回新たな発見と考えさせられることがあります。

写真右側が、専務の三渡保典さん、そして左側が今年の1月に入社した堀田さんです。しそうの森の木さんへ初めて訪れ、三渡さんがご説明してくださることに聞き入っています。丸太からどう木取をするとお施主様のご要望に応えながらも、山主さんにも還元し、そして木を余すことなく大切に使い切ることができるかを徹底的に考えられており、それらの取り組みが地域へも還元されていくという構図ができていて、何度聞いても私も聞き入ってしまいます。そして、訪れるたびに新たな製品が生まれたりしていて、その向上心と実際に行動に移すという行動力に驚くばかりです。


この写真が木取りの1例です。このように1本の丸太から、柱や梁などの構造材やフローリングなどの化粧材などをどのように製材するか、というのが木取りです。この写真を見ていただくと、本当に余すことなく製材されていることがよく分かります。そして、さらに驚くことは製材するときに出たおがくずは、ペレットになりペレットストーブを使われている方に届きます。

写真は、実際に木取りをして製材しているところです。木取りの例は、150種類もあるそうで、木取りファイルというものがあるそうです。丸太一本を製材するのに150種類ある木取りの例からどれをどういう基準で選ぶのか、知りたいなと率直にお話を聞いていて思いました。

これは、木材の含水率を計測しているところです。この上下の青い機械で、材料の端から端までの含水率を計測し、平均の含水率を算出します。構造材の材料検査で含水率を測るときは、元口、末口、中央の3点のみを計測することが一般的ですので、全箇所漏れなく含水率を計測しているところを見せていただき、ここでも徹底的な品質管理をされていることが分かりました。

含水率は木材の強度にとても大きく影響するため、建築基準法でも数値が定められています。

含水率を計測したあとは、機械に付属しているハンマーで木を叩いてヤング係数を測定します。ヤング係数は含水率と同じく、強度に影響しますが、木の固さや木材の変形し難さを表す値です。含水率を計測した後にヤング係数を測り、一本一本の品質を確かめていました。

建材工場、製材工場、そしてしそうの森の木さんの材料を使って施工している近くの現場も見せていただき、ハッとすることが何度もありました。私たちが当然のように図面に描き、発注している材料が、丸太のどの部分から取ることができ、そしてその部分以外のところは、どんなものに製材されているのか、どう使われているのかなどを改めて知り、終始背筋が伸びるような思いで見学させていただきました。何十年も山で生きた木があり、それらを大切に育てた人がいること、そしてその木を大切に製材・加工している方がいて、私たちの手元へ届いているということ、責任をもってしっかりと住まいに使わせていただきたいと身が引き締まり、とてもよい機会をいただきました。

 小西