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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2025.09.20

エムズ定番のタモパネルについて

エムズ日記をご覧のみなさまこんにちは!
まだまだ暑い日が続いておりますが、今週の後半は少し暑さも落ち着き、夜はエアコンなしでも過ごせるようになってきました。
今週のエムズ日記は、材料支給の担当でもある堀田がタモパネルについて書いていきたいと思います。

過去のエムズ日記でも当たり前のように紹介されているタモパネルですが、エムズの物件では、1軒あたり約1m×2m程度のタモパネルが10数枚程度使用され、欠かせない材料となっています。

こちらがタモパネルです。
写真は丸福町家(鈴木邸)で使用する際にパネルを選びに行った時の写真です。幅が1m長さは2m以上になるので一人で持つのは大変です。
1枚の重さは約30キロと広葉樹のパネルのため、とても重いです。
こちらがタモパネルの断面です!
縦に白く見えているのは、接着剤です。タモパネルは表面を見ると、一枚の板のように見えますが、10cm~30cm程度の幅の板を引っ付けて1枚のパネルをつくっています。
これを巾はぎ板と言います。
写真をよく見てみると、1枚1枚の幅が違っています。これは原盤の寸法がまちまちだからです。
この表はタモパネルの製作を材木屋さんに依頼するときに送っていただいている原盤の表です。
発注するときはパネル何枚でというように注文しているのではなく、幅、長さの違う原盤をまとめてロット購入し、そこから、巾はぎ加工をお願いしています。

表はタモの原木を製材した結果、どのくらいの板が取れたかを記載していただいています。
横軸は板の幅を表し、縦軸は板の長さを表しています。

これは昨年製作を依頼したもので、原盤は合計で101枚とることができました。

そしてそこから巾はぎ加工を依頼し、板からパネルへと製作してもらうのですが、
101枚の板は、パネルにすると一体どのくらいの枚数になったでしょうか。

結果は、幅1mの1800mm~2700mmの長さまでのパネルが15枚製作できました。

最近竣工した物件で天板と、キッチン収納の引出し前板に使用されました。
特にキッチンの引出しの前板は、板の目をそろえることができるので、タモパネルは大活躍しています。
小さな幅の材を継いでいるため、一枚板よりも現代的な印象で、すっきりとした感じに見えますね!
長さも2700mmぐらいまでは1枚で使えるので、カウンターなどにも重宝しています。

こちらはタモパネルに名栗加工をして、漆を塗ったMs定番の名栗板です。
名栗加工は橘商店さん、漆塗りは沢幸漆店さんにお願いしています。上質な印象ですね!

家具や天板、敷居の用途等に幅広く使用されるエムズに欠かせないタモパネルですが、最近はタモが取れなくなっているそうです。
在庫のストックはまだありますが、木材事情を考え、今後違う材種の検討も必要かもしれません。

堀田健斗