10月に、畑拓さんによる「土絵と本の家」の撮影が行われたことはMs日記でも報告があり、Msのウェブサイトにも作品紹介がアップされました。今年最後のMs日記は、この「土絵と本の家」の図書室をご紹介します。
吹き抜けのある2層の図書室。本棚が小屋組みの棟の高さまで立ち上がっています。木の家と本棚はとても相性が良く、各サイズの本に合わせて奥行270㎜240㎜160㎜120㎜の本棚の棚板は、杉板サイズが本の奥行サイズに合わせやすく、杉板で大工さんが完璧に造ってくれます。本棚は買うものではなく造るもの。杉板で是非とも本棚を造ってほしいと思います。
写真の下にも本棚が見えます。柱の太さが120㎜角なので、ちょうど棚板120㎜の文庫本、新書用の本棚になります。
写真左の壁には絵がかけられていますね。
この絵が、沖縄在住の喜屋武千恵さんの土絵です。
土絵という言葉に馴染みにない人(明石のOさん)から「土と絵本の家」ですか?とコメントを頂きました。おそらくタイプミスだとカン違いしたのでしょう。
喜屋武さんは、沖縄のある場所から赤土を採集してこの絵を描いたとのことです。ある場所については、「住宅建築」2025年4月号(2月発売)にこの「土絵と本の家」が掲載されていて、そこで写真キャプションとして説明していますので是非「住宅建築」をご覧ください!
この土絵の赤に魅せられた私は、来年は喜屋武さんに会いに沖縄に行くつもりでおります。
図書室の1階には、このような籠った感じの落ち着く空間があります。そして窓の上の垂れ壁には、画家・佐藤香さんの土絵「北で生きてきた」が。
佐藤さんのこの土絵についても同じく「住宅建築」にて説明していますが、深い思いが込められたこの土絵は、北海道・福島・そして京都の土を採集して製作されています。
窓の外には八田明美さん(春音)の寄せ植えがあり心が安らぎます。
Ms建築設計事務所は12月27日が大掃除で今年の仕事を納めます。Ms日記の締めの写真は「土絵と本の家」外観の夕景です。
明けて1月、年賀状の写真も、同じアングルの「土絵と本の家」の昼の写真。畑さんの写真は、きりりと空気感まで感じさせる写真です。
いい家を設計し、いい家を職人さんたちと一緒に家をつくることを、来年もさせて頂くことに心より感謝して、1年を納めたいと思います。
2024年の1年間 ありがとうございました。
(三澤文子)