暑さ寒さも彼岸までといいますが、今年はもう少し夏が続きそうですね。とはいえ、夕暮れの虫の声に秋を感じる今日この頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
6月末に地鎮祭を行った関東物件について、木材検査のため永田木材さん(浜松市)に行ってきました。
作業着姿の永田木材 永田さん。「<ある>と<使える>は違う」「あっても生(なま)では使えない」という三澤康彦さんの言葉を胸に、天然乾燥を極めています。木を理解し、図面を読み込み、木材を調理。縁を生かすも殺すも自分次第と、優しい笑顔の中に人柄と信念が宿ります。
製材した木材を広い敷地内で数年間乾燥させています。山を背景に、たくさんの木材が用途ごと(板材や梁材、柱材など)に桟積みされている風景は壮観です。
柾目、板目共に木目が美しく、壁などに隠れてしまう部分が惜しいと思うほどの良材を揃えてくださいました。年輪がつまっていて木目が美しくヤング率が高い「天竜杉」です。
デライトフル 多久田さんの材をみつめる眼差しも真剣です。
含水率やヤング係数などの物性値も検査。含水率15%前後で、中には10%程度のものもあり、天然乾燥でこの数値はすばらしい!ヤング係数は全ての材がE70以上で、E90という高い数値を示すものもありました。木目や節などの意匠性のみならず、構造材としての性能も高い良材ばかりです。
木材検査の後は、東海プレカットの春田さんと加工の打合せ。
接合部の納まりは、Dボルトの現物を見ながら確認していきます。
検査した材には、ていねいに番付が示され、東海プレカットさんへ向けて出発。2週間後にはいよいよ建て方開始。2年越しの設計が実を結び、材が組み上げられるのが楽しみです。
(松岡利香)