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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2025.12.20

豊中の2つの家のメンテナンス

今回のMs日記は、一枚の外観写真からはじめたいと思います。(撮影:畑拓さん)

場所は大阪府の豊中市。2019年に撮影された写真には2軒の住宅が並んで写っています。実は、三澤康彦さん(以下、三澤さん)と文子さん、2人が設計した住宅が隣同士で並んでいる!とっても珍しい写真です。

 右が三澤さんの設計で、1999年竣工の「南桜塚の家」(築26年)。

左が文子さん設計で、2019年竣工の「豊中・和居庵」(築6年)です。

 「豊中・和居庵」は、元々大きな敷地に総2階の住宅が建っていたのですが、定年を迎えられたご夫妻がコンパクトな生活空間を希望され、2017年に設計依頼をいただき、新築で建て替えを行いました。

2017年というのは三澤さんが急逝された年で、偶然にも同じ年に、お隣の「南桜塚の家」の内部にはじめて入ったご夫妻が、木をふんだんに使った三澤さんの設計を気に入ってくださり、「南桜塚の家」の住まい手からMsをご紹介いただくという出会いでした。

 そんなありがたいご縁から始まった「豊中・和居庵」と、お隣の「南桜塚の家」。2つの住宅のメンテナンスへ行ってきました。

前回、4年前の「南桜塚の家」メンテナンスの記事はここからお読みいただけます。

メンテナンスに同行頂いたのは、㐂三郎(キサブロウ):沖本雅章さんです。腕のよい大工で人気の沖本さんと知り合うことができたのもこの仕事を通してのことです。動きが良くない木製建具をその場で是正していただきました。

写真左に映っているのは、㐂三郎(キサブロウ)に今年入社した設計担当の仲井陽菜さん。仲井さんは学生時代の2024年にMsへインターンシップに来て頂いたこともあり、また一つ、嬉しいつながりが生まれました。

Msでは特に近年「5年点検」「10年点検」に力を入れています。文子さんが長年取り組んでいる「住宅医」の活動で、長期的に建物をメンテナンスしていく重要性を学び、内部・外部・床下・設備・外構と、『オリジナル点検リスト』を用いて、しっかり点検を行いました。

 点検は、住宅医で一級建築士でもある村上洋子さんと、わたし上野、そして新入社員の髙田君の3名で行いました。床下にも潜り、シロアリの被害や腐朽・漏水などがないかチェックを行いました。調査の結果、大きな不具合は見つからず、後日、住まいの履歴として『点検レポート』を提出させて頂きました。

「豊中・和居庵」は長期優良住宅のため、定期的なメンテナンスが法的に義務付けられていることもあり、日常生活で見ない箇所まで点検することで、安心していただけたかと思います。

ハニカム・サーモスクリーンの1つで不具合が見つかり、メーカーに修理方法をヒアリングして、後日改めて修理を行いました。髙田君が大活躍です!

快くメンテナンスを受け入れていただいた住まい手の皆さまに改めて感謝いたします。メンテナンスを通じて再会し、色々お話しをできて本当に嬉しかったです。時を経て日常生活の場となった「木の住まい」から、改めて住宅設計の仕事の深みを感じることもできました。

さて、お隣の「南桜塚の家」では、ポーチ屋根の不具合を今後治していくことになりました。実は、週明けの22(月)に沖本さん・仲井さんがMsにお越しになり打合せする約束をしています。そのご様子は、またInstagramでご紹介させていただきます!

 最後までお読みいただき有難うございました。

上野耕市