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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2011.05.25

MOKスクール 加子母ツアー

5月21日・22日とMOKスクール恒例の林産地ツアーに行って来ました!
東濃ヒノキの主産地として知られる岐阜県中津川市加子母に総勢20名程で訪れました。
今回のツアーが実現したのも、以前MOKスクールで講義していただいた中島工務店さんのご厚意によるものです。
この場を借りて、お礼申し上げます。
中島社長 ありがとう!!

一日目は、中島社長直々のエスコートで
神宮備林・木曽ヒノキ備林と、裏木曽の山林を見学させていただきました。
途中、山向こうに雪の残る御嶽山が雄大な姿を見せていました。


114k㎡ある加子母の95%が山林です。
山の上方は年間を通じて気温が低く、雨量が多い上、地盤の浅い部分にホドゾル土壌を形成
浅く広い根を張るヒノキが多く自生する要因となっているのです。
杉を多く扱ってきたMsですが、ヒノキも構造材やデッキ材など随所に取り入れています。

神宮備林は伊勢神宮の遷宮用材として納められる御用材を採取する森林のことで国有林の為、許可を得なければ入ることはできません。
この貴重な山林を社長とともに案内していただいたのが中島工務店の中川さん。
以前は林野庁に勤められており、山に関して非常に詳しく、MOKスクール生からの質問攻めにも丁寧にお答えいただきました。


350年と樹齢が高く、大きなヒノキが自然林として残っています。
かつて裏木曽の山林を納めていた尾張藩が「ヒノキ一本、首一つ」と、厳しい規制を敷くことで乱伐から守ってきた経緯があります。
しかし、国有林となった今でも管理の目をくぐった盗伐被害があるそうです。

「三ツ緒伐り(みつおぎり)」と呼ばれる特殊な方法で御用材を伐採します。
この方法は伐倒方向が正確で、芯抜けや、突き割れが少ないのです。
写真のような三ツ緒伐りで伐られたヒノキの切り株を所々で見ることができます。


次は、二代目大ヒノキを見るために少し移動。


樹齢千年!
パワースポットからエネルギーをいただいて帰ります。

エンドユーザーに山を見に来てもらいたいという中島社長。
都市で暮らす住まい手と、日本で林業を営む方々とを結びつける、それが持続可能な山林・社会をつくっていくのです。
中川さんの試算で年間6,000万㎥までは国産材を利用しても、持続していけるそうです。

伊勢の遷宮は20年に一度です。そのたびに10,000㎥のヒノキが必要とのことです。
そんなに頻繁に建てては木曽のヒノキは本当になくなってしまいそうです。
いいのか、悪いのか
考えさせられてしまいました。

この後、加子母にあるバンガローにてバーベキュー


中島工務店さん・MOKスクール生同士の交流の場となりました。

二日目は、ぱらつく雨の中
かしも大杉→乙女渓谷→かしも産直市→東濃ひのきの家→加子母小学校・ふれあいコミュニティーセンター→明治座と、盛り沢山です!

国指定天然記念物のかしも大杉は、樹齢千数百年、高さ31m、幹周り12.4mの巨木。


この大杉のある大杉地蔵尊には赤子にまつわる言伝えがあり、祈願に来る方も多いのです。
見上げる程の大きな杉を見た後は乙女渓谷へ
加子母川の源流に向かって進みます。


早朝のきれいな空気をいっぱい吸い込み運動をした後は、産直市で腹ごしらえです。
木曽地方の郷土料理である朴葉寿司をいただきました。
朴の葉は大きく、芳香による殺菌作用があります。

その後、協)東濃ひのきの家のプレカット・乾燥炉・集成材加工・造作材加工の工場見学へ。


加子母中に工場があり、木材に関することなら何でもお願いできます。
ただ、中島工務店さんの工場には製材部門がありません。
それは、地場の製材屋さんとも関わりながら地域の活性化を願う中島社長の考えによるところでしょう。

工場で加工したものを近くの木のなんでも市場で購入することができます。
ついつい私も熱が入ってしまいます。


次は加子母小学校とふれあいコミュニティーセンターの見学です。
これは木材産業構造改革強化促進整備事業の一環で
大断面の集成材を取り入れた木造建築物です。
この他にも加子母には大断面集成材を用いた建物があります。

そして最後に明治座という明治27年に建てられた地芝居小屋を見させていただきました。


中島社長、中川さん、社員のみなさん、そして私達を最後まで安全に送り届けてくださった小川さん
本当にありがとうございました。
非常に有意義な2日間となりました。