倉庫の変遷
もうすぐ11月、台風が立て続けに列島へ接近しています。皆さんは台風仕舞いをすでに終えられていますでしょうか。統計的に見ると、11月以降は台風が本州へ接近する可能性はかなり下がります。・・・ということは、今回を凌げば大丈夫!?工事の進捗にも関わるためそんな期待を抱いております。
さて、Msでは木材をストックし、彼らは今か今かと新しい住まいへ旅立つ日を待ち侘びています。そんな材料たちに欠かせない『倉庫』の存在を今回はピックアップ!
Msの木材倉庫は幾つかありますが、こちらが事務所に一番近い駐車場倉庫。今から10年以上遡ると、このように活用されていました。間口が2.5m、奥行5mの小さなスペースですが木材がぎっしりと入っています。
その後は事務所の車台数も増えたことで、ガレージへと活用用途が変わっていきました。そんな中、今年の7月に車を一台減らすことになったため、元々こちらに駐車していたポルテの名前取り、『ポルテ倉庫』と名付けて木材倉庫としての用途を復活させることになりました。ただし、今回は扉を付けることで管理もきちんとできる体制をつくりました。そんなポルテ倉庫が出来上がるまでの一部始終を紹介したいと思います。
今回工事を依頼したのは、羽根建築工房さん。担当は内山大工、とても丁寧な仕事ながらサクサクと仕事を進めていく姿はさすがの一言。
今回は両開き折れ戸を事務所でストックしている材料で、かっこよく且つ使い勝手よく作るか、というのが目標。
材料はお馴染みのJパネルや長良杉パネル、そして扉の面材には耐水性のあるサワラの本実板をチョイスしました。木材の規格寸法(長さ)が1.82㎝(6尺)と決まっているため、下部30㎝はさり気無く袴を履かせたようなデザインとしています。さて、最後は取っ手をどんな素材に、そしてどんな形状にするかがポイントではないでしょうか。
折れ戸は取っ手が大きく握りやすい方が引きやすい!ポイントとなるようにこの部分のみ広葉樹の『タモ』を使用しています。こちらはもちろん内山大工に加工して頂きました。素地のままだとなにか味気ない・・・ということで、袴の部分のみMsカラーの赤を塗装することになりました。
袴より上部はユーロクリヤー(大阪塗料工業)を使用しています。塗装有無での経年変化を改めて確かめたいと思い、右側部分は塗装を施し、左側部分は無塗装としました。庇の出は30㎝で東向き、今後どのような違いが出てくるか経過観察を行っていきたいと思います。
袴はノルディックレッド(オスモ カントリカラー)を使用し、こちらは防腐材が入っていない商品のため、事前にウォーターペレント(オスモ)という下地処理材を塗り込んでいます。
このような形で新しく生まれ変わり、これは住まいの変遷と似ているのではないかと感じました。家族が増えることで、個室(寝室)を作り、そして巣立ったあとにはリフォームをして新しい住まい方へと変わっていく。少しの変化を加えることで、とても使い易くなりました。今回は小規模な工事でしたが、皆さんもぜひ環境の変化とともに住まいにも手を加えてみてはいかがでしょうか。ぐっと生活が豊かになるのが実感できると思います。
スタッフ 中根