コロナの脅威が少し弱まるころ、メンテナンスの相談がありました。
Ms建築設計事務所では、1年、5年、10年とメンテナンスを行います。
住まい手さんのお悩みを聞くだけではなく、
住み心地についてもお聞きすることができるので、とても貴重な機会です。
今回は2010年に、故・三澤康彦さんが設計し、竣工した芦屋のお住まいを訪れました。
ちょうど10年メンテナンスになります。
住まい手の奥様はピアノの先生をしてらっしゃいます。
1階の玄関入ってすぐは、ピアノのレッスン室になっていますが、
入って正面にはとても印象的な木製の壁が、と思いきや、
なんと自宅とレッスン室を仕切る、大きな引戸でした。
生徒さんたちも最初びっくりされたそうです。まさか扉とは!と思うほどおおきな引戸なのです。
レッスン室の壁が同じ形状なので、ひとつづきの壁と思ってしまいます。
印象的な空間に驚いたのはもちろんですが、年月を経ても美しさが保たれている様子に、
住まい手さんの丁寧な暮らしが伺えます。
メンテナンスしてほしい場所などを、実際にお家を巡りながらお話を伺います。
外回りを巡っていると、素敵な傘立てを発見!
住まい手さんが、この家に合う傘立てを色々探して、
市販では見つからす、ご自分でデザインされ、特注で製作されたものだそうです。
石の傘立てはシンプルですが、お家の雰囲気にとても良く合っていました。
ピアノ教室の生徒さんにも好評だそうです。
他にも、住まい手さんの素敵な工夫を発見しました。
キッチンに行くと、シンク下に、焼きを入れた木の箱を、ゴミ箱と、レジ袋入れに使用されていました。
使いやすい寸法をじっくり検討されて、ご自分でデザインしたそうです。
木の風合いと、シンプルなデザインが、造作のキッチンにとてもあっています。
あまり人目につく場所ではないところですが、素敵な収納をされていて、勉強になりました。
お家に似合うものを探していると話す様子は、とても楽しそうで、住まいへの愛情を強く感じます。
お悩みだけでなく、住み心地についてもお聞きすることができました。
生活しているうえで、良かったことは、リビング、キッチンの床の大理石だったそうです。
最初はどうかな?と思ったそうですが、汚れてもすぐふけるのでメンテナンスもしやすいとか。
夏はひんやりして、気持ち良いそうです。実際の体験を聞けるのは、とても貴重なことです。
お庭も素敵でした。ご家族とともに成長した木々は、お家をやさしく彩っています。
今回の訪問で、住まい手さんが愛情を込めてお家を育てているのが伝わってきました。
そのお手伝いができるメンテナンスの重要性を感じた、1日でした。
Msスタッフ濱田