エムズ日記をご覧のみなさまこんにちは!
今週のエムズ日記は堀田が担当します。
今週の木曜日に現在、奈良県で計画中の増築物件のプレゼンが行われました。
今回はそのプレゼンまでの道のりについて書いていきます。
まずこの物件のお話をいただいたのは、去年の8月頃でした。昔、MOKスクールに参加されていた中垣さんという奈良県で工務店を経営されている方から住まい手さんを紹介されたことがきっかけでした。
住まい手さんは芸術や陶器に詳しく、中垣さんは話が合う設計の先生がいいだろうとお思いになり、誰かいないかと探していたところ、
いろいろなつながりの中から文子さんと知り合ったそうです。
写真はご訪問させていただいたときに住まい手さんからいただいたマグカップです。
毎日事務所でこのカップを愛用させてもらっています。
このカップで飲むコーヒーは一段とおいしいです!
住まいの計画を始めるにあたり、まずはヒアリングを行うため、文子さんが奈良県の現在お住まいの住宅に伺い、話し合いが行われました。
住まい手さんは文子さんに会うまでにも、他の設計者の方に話をされたりしていたそうですが、話がうまく進んでいかなかったようでした。
今住んでいる住宅を壊して新たに建て替えることを考えていたそうですが、
文子さんが家を訪れたとき、
「こんなにきれいな家を壊すのはもったいない!」と思われたそうで、今回は今の住まわれている住宅は残したままで、”はなれ”として、平屋の家を増築するという提案で話が進むこととなりました。
9月のはじめ頃には既存の平面図をいただき、紙の図面からCADデータにおこす作業を行いました。
そしてその作業を行っている間に文子さんは増築プランのスケッチを描いていきます。
9月中旬には構造躯体のイメージと大まかな配置計画は決まり、既存住宅と敷地と増築部分の関係がはっきりとしてきました。
大枠が決まったところで、次は内部のプランニングを考えていきます。
エムズの家づくりはまず構造躯体を最初に決めてから、内部のプランを動かしていくという設計のやり方です。
真壁の柱が見える住宅は、柱のピッチが一間ごとにそろっていることが重要なので、この順番で計画が進んでいきます。
そしてスケッチ→CADでの図面化→図面修正を繰り返し行っていくことで、案が練られていきました。
10月にはインターン生の皆見さんが来てくれて敷地模型の作成をしてもらいました。
今回の敷地は高低差があるので、難しい作業です!
前面道路から既存住宅の1階フロアまでの高さは5m以上もあるので測量図を読みながら、どうやって作るか話し合いながら進めていきました。
増築部分は既存住宅の床とフラットになるので、最も重要なのは1階の床レベルです。
道路と住宅の床をつなぐ外部の階段がこの敷地模型を作るうえで肝となる存在でした。1週間の間、皆見さんには丁寧に作成してもらいました。
11月中旬には住まい手さんとも内部のプランに関して何回かやり取りがされ、ある程度のプランが固まってきました。
そうして12月には1:100で描いていた図面から1:50のスケールでの検討が始まり、より詳細な密度で収納の奥行や通路の幅などの検討が進んでいきました。
構造についても、もうそれほど大きな変更はないいだろうということで、小西さんに構造図を描いてもらい、1:30の軸組模型の作成までしてもらいました。
この軸組模型を2日もかからずつくってもらいました。
速いですね!
模型ができると実感が湧いてより楽しくなってきますね!
そして今回は、プレゼン前に木拾いも行いました。
構造図と模型ができているため、柱や梁や垂木が何本などと数えることができ、そこから木材の立米数が算出できます。
この住宅の木材の立米数は17㎥でした。
プランが決まっていき、構造材の量が分かると次は、計画にかかるおおよその金額を算出していきます。
ここで工務店さんの中垣さんと協力しながら、エムズで段取りする材料と、工務店さんで段取りする材料や工事のすり合わせを行っていき、プレゼンまでに概算予算書という1枚にまとめた書類を作成します。
そして1:100の意匠模型と平立断の図面と、設備の資料等をまとめプレゼンを行います。
来年からエムズに入所する高田さんにも模型製作を手伝ってもらいました。
プレゼン直前でしたが、すばやく綺麗につくってもらいました。
去年の8月から約半年間の成果を文子さんがプレゼンします。
意匠性ももちろんですが、断熱に関しても今回は断熱等級7のあったかい住宅を目指していきます!
今後、この計画が順調に進み、住まい手さんに喜んでもらえる住宅ができたらいいですね!
まだまだ始まったばかりなので、今後もこの増築計画について報告をさせていただきたく思います!
堀田