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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2025.11.29

Little Wood House ~ 長期優良化リフォーム10年点検

皆さんこんにちは。今年もあと1か月少々になり、1年の速さに驚いているところです。今回は非常勤・リモートワークの村上が、10年点検で訪問した住まいについて書きたいと思います。

Msがインスタグラムを開始したのは 2023年5月末。アカウントを開設してすぐにフォローしてくださった方が、今回訪問した住宅の住まい手・Kさんでした。嬉しくてどんな方なのだろうとKさんのアカウントを見てみると、そこには見事に育った素敵な植物の写真が何枚も投稿されていて、植物好きな私はどんどん遡って写真を拝見しました。そこで、木部の塗装のことが書いてあり、Msが設計した住宅の住まい手さんだと気づいたのでした。

今回の訪問は、2015年に長期優良化リフォーム推進事業を利用して完成した改修工事の、10年点検が目的でした。しかしながら私には別の目的が… それはインスタグラムに投稿された植物に会いに行くということでした。

K邸に到着すると、まず目に飛び込んできたのがピンク色の小花。シルバーがかった葉っぱの色と花のピンクの調和が美しく、心弾みます!初めてお会いするKさんご夫妻から、この植物は「レウコフィラム」だと教えていただき、いよいよ室内へ。

K邸はMs事務所が開業して3年目、1988年に設計を開始。当時三澤康彦さんは30代半ばで、その頃のことをKさんが懐かしそうに話してくださいました。

「新築するにあたり、 RCではなく木にしようと思って色々な建築家をピックアップしていくうちに、真壁構法で造っている建築家として三澤さんを知った。その後、友人が千里にこんな建築家がいるよと教えてくれたのも三澤さんで、すぐに話を聞きに行った。自分のバックグラウンドがプロダクトのデザインなので、どういう建築家でどういう家具があって、という感覚を掴むのが早かった。

事務所に行ったらびっくりで。使っている徳島の木頭村の杉は葉枯らしから始まっていて、そういうこともしてるのか、この建築は!と。こういう話を見聞きして、この人すごいなと思って建てることになった。」

▲新築時の西面。階段を上がった先に玄関があった

新築の2年後にイタリア駐在になり4年滞在、その後、今度はオランダへ駐在することになったKさんご家族。不在のため、家のメンテナンスが必要な時に対処できませんでした。そして帰国して落ち着いたとき、雨漏りやシロアリの発生があり、改修をしよう!と思い立ちました。

「三澤さんは階段が大好きで(笑)若い時はいいけれど。2階にある生活空間を1階に持ってきて、全部フラットに繋げてという改修をしたのが10年前。

三澤さんが相当入れ込んで作ってくれたので、改修する時も当然三澤さんのところに行かないといけないだろうという気持ちになった。他の人にはできないと思った。」

▲階段が3箇所ある改修前の2階

そして新築から25年後の2014年に改修工事が始まりました。Ms日記に残されていた当時の様子をぜひお読みください!

・住みつなぐ

・屋根工事

・薪ストーブ火入れ式

希望通り生活空間を1階に移し、温熱改修も行って、夏は涼しく冬は暖かな住まいになりました。

かつて、こども部屋の天井に貼られていた星のシールは、改修してもはがさずに、いまはキッチンの天井で輝いています。

▲新築当時の南面(写真:岩為さん)

新築から36年を経た現在の南面。改修にともない、断熱補強を行い、屋根をかけなおし、違った表情になりました。

住宅建築1991年6月号にK邸(Little Wood House)が掲載されたときの康彦さんの解説に

「自然と共存できる小さな木の家が、町に楽しい顔をみせている。周辺によい空気が流れ始めたと自分自身満足している。」

とあります。自然と共存できる家はますます健在。いま西面にはバラが植えられていて、5月には満開の花が通りのシンボルになるそうです。Kさんは、ご近所にこのバラの花をプレゼントされるらしく、ご近所が羨ましいです!

▲手前のピンク色の花がレウコフィラム、奥が通りを賑わせるバラ

住まい方の変化に合わせて家をなおし、趣味を楽しみながら住み続けていく。K邸で木の家ならではの改修の醍醐味を見させていただきました。次はバラの季節にご訪問できればと思っています。Kさん、どうもありがとうございました!

(村上洋子)