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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2025.12.13

薪ストーブの季節 -木の終着点-

12月に入り、風が冷たくなりました。自転車で事務所まで来ているのですが、耳が冷たくなるので最近「イヤマフ」を無印良品で購入しました。この冬の必需品になりそうです。
コンパクトでリュックにも入るので気に入っています。
耳を冷やすと頭痛の原因にもなるので、体をあたためるのは大切なことですね。
今週のエムズ日記は堀田が担当します。

事務所では毎朝、薪ストーブを髙田くんにつけてもらっています。
薪の調達は、知り合いの方や、近くで現場があるときは現場で出た端材を頂いております。
今年は橘さん(橘商店)、エムズOBの大橋さん(oguma)、木又さん(木又工務店)から頂きました。
こちらは橘さんから頂いた栗の薪です。橘さんは栗専門で原木を帯鋸で製材されています。そのため、薪にも鋸目が残っていますね。栗は広葉樹なので、火持ちも良いです。
そしてこちらはエムズOBの大橋さんから頂いた薪です。
大橋さんはオーダー家具+住宅設計をされているため、キッチンの天板や前板に使われた材料でしょうか、水回りに使われるため広葉樹の堅木が多いですね。家具材のため、表面はツルツルと磨かれています。薄いものは最初の火付けの時に活躍します。
最後は木又工務店さんの木又さんから頂いた薪です。
下の木は柱に使われた桧の切れ端のようです。針葉樹ですが、断面が120角あるので火持ちも良いです。
薪と一言で言っても、さまざまな種類があり、姿形にそれぞれのストーリーを持っています。材木屋さん、家具屋さん、工務店さんのそれぞれの仕事の跡が残されています。
ここに集められた木は、本来の用途に使われなかった木。少し悲しい気もしますが、最後はエムズに暖かさを届けてくれます。

【燃焼実験】
さて、ここで建築としては日の目浴びなかった彼らに、最後の役目を担ってもらいたいと思います!エムズの薪ストーブ木材燃焼時間測定です!

木又さんから頂いた長さ30cmの120角の柱材を投入し、どのくらいの時間で燃え尽きるのか。
住宅医で木材防火について講義をしてくださる安井さん(桜設計集団)によると、木は1分1mmで燃えていくということで、120角なら60分で中心まで火が到達することになります。
写真が火入れ開始から2時間の経過をまとめています。火入れから1時間で一番火があたる木の真ん中部分は中心近くまで、赤くなっていることが分かります。
約2時間で木は炎によって二つに分かれました。炎が下から2時間かけて貫いたということがわかります。1.5時間~2時間後も薪としてはまだまだ十分、活躍しています。
そして3時間後、まだ赤いですが、ほとんど燃え尽きました。
今回は空気を送る量を最大にしたため、調節すればもう少し燃焼時間は伸びたかもしれません。

薪は二酸化炭素として排出され、樹木は空気中のそれらを吸収し、また新たな命として生まれ変わることでしょう。

堀田