豊中のM邸-竣工しました
4月も残すところ後1週間となりました。日に日に事務所前の緑が深まっているような気がします。同時に虫も活発していますね。帰宅時には自転車のサドル裏に毛虫がいないか確認する日々が始まっています(Ms事務所前には桜並木がありきれいなのですが毛虫だけはどうも苦手です)。虫に負けないよう、色々と活発にいきたいところです。
さて先月にお引渡しした豊中のM邸の竣工報告です。
↓↓↓豊中のM邸過去のMs日記はこちら↓↓↓
①材料検査の様子 ②木配りの様子 ③建て方の様子 ④現場状況 ⑤内部造作中
M邸はご実家と月極め駐車場に挟まれた北側前面道路の敷地に位置しています。道路からのアプローチは鉄平石でお迎えします。道路に面した開口部には桧の格子材を設けています。杉の格子材を使用することが多いですが、今回は吉野の桧材(坂本林業さん)を採用しました。住まい手のMさんともご相談して無塗装です。これからの経年変化が今から楽しみです。
続いて内部にご案内します。玄関土間の床も外部からのアプローチと同様に鉄平石を敷いています。玄関正面には少し高さを控えた開口部があります。ここからはモミジが顔を覗かせます。キャンパスのような開口です。色づく季節にはまた違った顔を出してくれます。植栽はお馴染みの春蒼園さん。春蒼園さんの畑にも何度か足を運びました。
モミジの奥にはデッキが広がっています。M邸の建物はL字型に配置していて、角のスペースに庭を設けています。通常南庭をとることが多いですが、M邸の南側には隣家が接近していることもあり東側に開けて設けました。M邸の東側はMさんのご実家ですので、庭を共有する形で計画しています。現在は境界に塀などは設けず行き来できるようにしています。将来的に塀を設置して区切ることも可能です。
こちらはLDKの写真です。写真左手がご実家と共有する東庭が広がっています。
M邸の内装は床がチークのフローリングです。Msで頻繁に使用する床材ではないですが、奥さんのご要望で決まりました。全体的に色目の濃いものがお好みでしたので、キッチン壁面の収納の建具にもチークを採用しています。キッチンは側板も天板も全てステンレスです。こちらも奥さんのご要望で店舗の厨房のようなイメージに仕上がりました。チークとステンレスの相性も合っています。
写真手前に見えているダイニングテーブルはアサメラという樹種です。家具屋さんに製作をお願いすることもありますが、このテーブルはM邸の棟梁に製作頂きました。このテーブルはMさん自ら倉庫で”お見合い”して決めた天板です。このほかにウォールナットなどの天板も見て頂きましたが最終的にはアサメラに決まりました。Mさんにはテーブルの他に書斎の天板などのも”お見合い”頂きました。ある一つの樹種に決めていざ倉庫に来てみると「こっちの方がいいかも」といった出会いがあるのも楽しみの一つです。
胡桃山荘に宿泊されて当初から「階段は胡桃山荘のようなもの」をご要望されていたMさん。胡桃山荘の階段に使用した樹種は杉ですが、M邸では踏板にはニレ、力桁(背骨部分)にはナラを使用しています。
階段をあがって2階には寝室と子供室、書斎があります。
こちらはご主人の書斎です。壁面だけでなく部屋中造り付けの本棚です。住まい手のMさんはお仕事の関係で沢山の書籍をお持ちですので、当初の計画から書斎はありま
した。もちろん、書籍をいれた状態で荷重の計算をして床梁のサイズ・ピッチを決めています。(床梁の施工中の様子はこちら)上の写真だけでは分かりにくいですが、下の写真2枚(建て方時の写真)が書斎のスペースです。こちらに本棚が並んでいるのです!圧巻です。Msでは家具や間仕切り壁に白鳥林工さんの長良杉パネルを使用しますが、M邸ではなんと90枚以上のパネルを使用しました。材積にして約5m3以上のボリュームです。M邸の構造材の材積が16.6m3ですから、構造材の材積と比較しても使用量の多さが一目瞭然です。物件によって様々ですが通常の物件の約2倍使用していることになります。
↑西側の外観(桧板張り、桧格子)
Mさんの、大工さんの、Msの想いが沢山つまった木の住まいができました!これからはMさんの手に渡りどのような住まいになっていくのか楽しみです。
(スタッフ:平賀)