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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2014.06.28

神戸K邸 荒土塗り

2月に上棟をした神戸のK邸。先週足場が外れ、外観全体を見る事ができるようになりました。
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K邸は準防火地域内に建つ木造3階建の建物という事で準耐火建築物とする必要があります。
燃え代設計(構造材の断面を大きくする事で防火性能を確保する手法)をしていない構造材の室内側(壁)は石膏ボード(ア)15もしくは左官で覆っています。

1階は住まい手さんがワークショップ等を行うのに使用するサロン。
一部の壁を土塗り壁としています。

今回の土壁工事はトヨダヤスシ建築設計事務所さん/豊田工業所さんへ依頼をしています。 http://www.t-sakan.com/

天候に恵まれた6/19日、豊田工業所・左官職人の豊田武生さんとトヨダヤスシ建築設計事務所の横山耕蔵さんに荒土塗りをしていただきました。
木ずりの施工状況・土塗りの様子等の確認に豊田保之さんも朝から現場へ駆けつけてくださいました。

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木ずりは棟梁の仮谷さんが事前に施工してくれています。
柱に(ア)27×45の縦胴縁と木ずり27×45を横向きに張っています。
柱と「木ずり」の間に縦胴縁を設置する事で、柱の収縮による土壁の割れを軽減しています。

木ずりはフローリング張りで使用するステープルで固定しています。
釘より細く、接着剤も付いているので木ずりの固定に適しています。

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今回使用する土は京都・深草の土。有名な土の産地です。
原材料は土とワラと水。これらを発酵させて練った土をトラックに乗せて運んできてくださいました 。

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まずは土をトラックから舟に分けていきます。

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舟からバケツへさらに小分けし、サロンまで運んでいきます。
水分を含んだ土はスコップいっぱいでもかなり重たく、かなりの重労働です。

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土が廻りに付かないよ うシート等で養生をし、いよいよ土塗りの開始です。
豊田武生さんと横山構蔵さんがコテを巧みに扱い、手際良く土が塗られていきます。

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木ずり間の隙間を24mmとし、その隙間に土をめり込ませる事で土が落ちにくくなります。

また、角は左官が割れやすいため、寒冷紗を張っています。(右下写真)

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作業は夜までかかり、最後はお掃除をして荒土塗りの終了。

荒土塗りから1週間後…
上部から徐々に乾燥してきました。

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さらに3週間程乾燥させ、7月20日(日)には、住まい手さんや子供達と一緒にワークショップ形式で仕上げ塗りを行います。

土壁の質感は独特で他の材料にはない魅力を持っています。

仕上がりも楽しみです。

スタッフ佐治