皆さんこんにちは。
今週のMs日記は上野が担当いたします。
今回、皆さまにご紹介するのは、大阪府堺市のK邸です。
このK邸、実は、故:三澤康彦の設計により1998年(平成10年)に竣工した築23年の住まいです。
過去のMs日記では、詳細調査の報告会&プレゼンの様子を紹介しています。
https://www.ms-a.com/post_299.html
北側に接道した細長い敷地に、2F建ての住まいがみえます。
今回、隣の敷地を購入されて、住まいを増築したいという依頼を頂きました。
23年という時を経て、再びMs事務所に設計依頼を頂き、とても嬉しく思います。
上写真は、23年前、1998年竣工時の2Fリビングの様子です。
(フィルムカメラで撮影されたものです)
どこか、千里の三澤自邸に近い雰囲気をもつ、三澤康彦さんの設計です。
節ありの杉の柱・梁を現す、真壁構造。
2F床は「カラマツ」・野地板は「杉」の30ミリの厚板を使っています。
あぐらを掛ける低座椅子=「男の椅子」(秋岡芳夫さん)
ZOO永田健一さんによるテーブルも、当時からのMsの定番です。
そして、上写真は、現在の2Fリビングの様子です。
カラマツの床は、飴色で落ち着いた風合いに。
一部、 照明やエアコンを取り換えていますが、ほぼ、23年前の空間が今に生き続けています。
愛着を持って住み続けてくださっているご家族の皆さまに感謝するとともに、
Ms三澤康彦の設計手法を改めて見つめ直しながら、設計を進めています。
さて、ここでご登場頂くのは、住まい手の娘さんです。
この住まいで生まれ育ったのはもちろん、
驚くことに、現在は大阪市立大学で建築を学んでいるとのこと!
木の住まいにも大変興味を持ってくださっており、
この春に、インターンでMs事務所に2週間の実習に来て頂きました。
そして、その後。
今回、新しく増築する住まいの『軸模型』の製作までご協力頂くことになりました。
23年前のひとつの仕事が、時を超えていまにつながるようで、有難いご縁を感じています。
増築部の『軸模型』です。
屋根が一段低くなった箇所が、新しい玄関になります。
玄関を入って左手は、
大きな平屋のワンルーム(リビング・ダイニング)となっています。
北庭を楽しむ、奥行のあるデッキをつくる予定です。
住まい手と対話を重ねながら、引き続き、しっかり設計を進めていきます。
上野耕市