宿泊体験の感想~薪ストーブのススメ~
先日の信州MOKゼミの様子をご紹介したばかりですが、宿泊体験頂いた方から〝生の声〟を頂いたのでご紹介致します。Sさんご家族の注目の的もやはり薪ストーブだったようです。
以下、Sさんから頂いた感想です。(文章、写真ともSさんよりご提供頂きました)
―――――――――――――――――――――――――
11月3日4日の連休に、胡桃山荘に一泊させていただきました。Msの家を見学したことはありますが、実際に滞在してみるというのは初めての経験で、家族一同興味しんしんでした。また、住んでいるのは神戸なので、長野の見知らぬエリアにある山荘行きは、名古屋住まいの私の両親もまきこんで、本物の山行きのような休暇気分たっぷりの二日間になりました。
山荘は、山の中ではなくて、山並みを遠望する、ひろびろと視界が開けた気持ちのいい土地にありました。私がいちばん気に入ったのは、デッキに座り心地のよい椅子を持ち出してひなたぼっこすることでした。デッキという空間をどう使うものか、いまひとつわからなかったのですが、無為を楽しむ、というか、ぼんやりするのにいいところだなと思いました。もちろん眺めがあって陽当たりがよくてひろびろとしている、といった、胡桃山荘並みの好条件が揃っているデッキは稀でしょうし、普段の日常のなかでそういう時間をもてるのかわかりませんが、実用とは別の用途と価値のある場所なんだなーと、なんとなくわかりました。二階フリースペースのベンチもとても眺めのよいスポットで、気分のよい場所が家のそこここにあるというのはいいことだなーと感動しました。
夫は台所の横にある、隠れ作業部屋のような狭い部屋がとても気に入っていました。狭いところにこもる心地よさでしょうか? 私にはわかりませんが、ともあれ作業部屋はまるで寝台車のようなコンパクトなスペースに、服もかけられるしPCも使いやすいしプライヴァシーも守られる、というよいデザインだと思いました。
そしてみなの注目の的だったのは薪ストーブです。私の母は札幌出身で、父も北海道勤務を何年かしていたので、昔の薪ストーブ体験世代。新旧のストーブ話で盛り上がりました。夫は薪ストーブを試してみることができて満足そうでした。「これは大人の火遊びだなー」と、楽しそう。いま計画中の家では、ご近所問題で薪ストーブは考えていないのですが、温泉にいったあと夜にストーブの前に寄り集まっていると、まるで「大草原の小さな家」というとおおげさですが、家族が寄り集まって生きているちょっと昔の家の雰囲気が高まって、こういうストーブ入れられないのがちょっと残念になりました。
夫はじつは内心、「もし薪がうまく燃えなくて、長野のような寒いところでこごえてしまったらどうしよう‥」と心配していたのですが、それはまったくの杞憂でした。山荘はストーブなしでも大丈夫なくらい、最初から十分に暖かかったのです。私も寒がりなので、フリースのブランケットを念のため車に入れていったのですが、「そよかぜ」システムと断熱のおかげでしょうか、室内がとてもあたたかくて、神戸の家よりもずっと快適なのに驚きました。裸足で床をあるくと気持ちがよかったです。引き戸一枚あけて玄関の近くに行くととても寒いのに、リビングも二階も暖かい。「そよかぜ」の威力にびっくりしました。
胡桃山荘では、チークの作り付けテーブル、低まった料理スペース、二階のフリースペースと3m四方の寝室、石ばりの床等々、実際に自分たちの家を考えていくなかで、具体的に体験して感じてみることができて本当によかったです。いろんな木の椅子も、順に座り心地や重さの具合を試してみることができて、参考になりました。でも、じっさいには私たちは家のことをあれこれ考えるというよりは、のんびり山荘での休暇を楽しんだ、という感じで過ごしました。そういう、人をリラックスさせてしまう力が、胡桃山荘の一番のキャラクターだったんだなあと思います。
「おうち」の大好きな娘は、予想どおり胡桃山荘が気に入ってしまい、桶の風呂にも入って大満足。「また絶対に来たい」と決め込んでいました。私たちもたった一泊の短い滞在だったのに、神戸に帰ったあとも山荘がなんとなくなつかしく、自分たちの家のようにも感じられるのが不思議でした。土地の力、家の力というのはすごいものですね。いい体験をさせていただいてありがとうございました。
―――――――――――――――――――――――――
SさんはMsの住まい手さんで来週春には着工予定です。胡桃山荘には大工さん製作の家具や様々な椅子が置いています。Sさんご家族も各々がお気に入りの椅子を見つけられたそうです。これからの住まい作りをより身近に、より具体的に体験して頂く機会となったようです。