宿泊体験の感想~断熱性能実測(冬期)~
以前、夏の胡桃山荘の断熱性能実測をされた岐阜県立森林文化アカデミーの学生さんが再度胡桃山荘を訪問されました。(以前の記事はこちら)今回はもちろん冬の胡桃山荘の実測です。学生さんから感想を頂いたので早速ご紹介したいと思います。
(以下、学生さんから頂いた文章・写真)
1月9日から11日、胡桃山荘へ宿泊体験させていただきました。夏に断熱性能を数値で計測させていただきました学生です。引き続き、冬の測定のため宿泊体験させていただきましたのでレポートさせていただきたいと思います。
胡桃山荘の冬の目玉といえば、薪ストーブです。宿泊された方のほとんどが、薪ストーブの心地よい暖かさに魅了されたことでしょう。また、電気もガスも使わないエコな暖房というのも、薪ストーブの魅力の一つでもあります。エコな暖房といえば、胡桃山荘ではもう一つ忘れてはならないのが「太陽」です。太陽熱屋根集熱式ソーラーシステム「そよかぜ」が胡桃山荘の大きな特徴ではありますが、今回注目したいのは南に向いた眺めの良い、大きな「窓」です。下の写真は胡桃山荘の夏と冬の写真です。
夏は庇がしっかりと太陽を防いでくれていますが(写真下)、冬は部屋の隅々まで暖かな光が行き渡るよう設計されているのがわかります(写真上)。
川にツララができるほどに冷え込むなか、建物の性能を測定するために「薪ストーブ」も「そよかぜ」も使用しない状態での実測でした。しかし太陽によって暖められた床や壁は、室内をぽかぽかと暖めます。また床壁天井に使用されているJパネルは、無垢の木なので触っても冷たくなく、厚さも一般的な合板フローリングの2倍ほどあるので熱を蓄えます。明け方の外気温―7度に対し屋内は無暖房で7度もあり、おどろきました。おかげさまで、長野の真冬を無事に2泊3日過ごすことができました。もちろんこのように上手くいくには、しっかりと断熱をすることが重要になってきます。大きな窓は、夜には打って変わって熱が逃げる弱点ともなり得ますが、胡桃山荘では性能の良いガラスとしっかりと締まるサッシュ、足元まで降りるロールスクリーンを使用し、窓の断熱もしっかり考えられています。
今回も実測ということで、本来の胡桃山荘の楽しみ方とは少し違った滞在でしたが、純粋に建物の性能を肌で感じられる、貴重な経験ができました。せっかくの「薪ストーブ」や「そよかぜ」を使わないことはお勧めしませんが、太陽にあたりぽかぽかする木の空間は、とても魅力的でした。ありがとうございます。
(以上、学生さんからの感想)