みなさんこんにちは。非常勤&リモートワークの村上です。今年はこの時期になっても気温の急上昇、急降下があり、着るものに悩む日々が続いています。それでも自然界はたくましく、Msの庭にもすくすく育つ生き物がいて、みんなで見守っています。
キンカンの木。よく見ると…
アゲハ蝶の幼虫です!キンカン好きな文子さんが植えた木、実がなるのを楽しみにしているのです。
5月30日でMsのインスタグラムを始めて丸2年になりました 。この2年間で237人もの方々にフォローいただき、本当にありがとうございます!「見てますよ」とお声掛けいただけるのが本当に嬉しくて続けることができています。
インスタグラムを始めたきっかけは、シンプルにMsのことをもっと知ってもらいたいと思ったからでした。
今でこそ、柱や梁などの構造材を現しにした建物はごく当たり前になりましたが、康彦さんと文子さんがMs建築設計事務所を立ち上げた40年前、二人の構造材を現しにするデザインは、まだ珍しいものでした。
独立前、康彦さんは一色建築設計事務所でツーバイフォー工法、文子さんは現代建築研究所で民家型構法に取り組んでいました。
民家型構法とは「伝統木造工法の優れた技術を残しながら、併せてツーバイフォー工法のような合理的なルールがある構法でなければならない。 民家がそうであるように、まず気候風土に合わせた架構をつくり、その架構の中に自在に生活空間を作り上げていく」ということから、工法の名前を『民家型構法』と名付けたのだった。」(「木の住まい」をデザインする 三澤康彦の仕事 より抜粋)
自邸「千里私たちの家」の設計当時、民家型構法は、2間ごとに通し柱を入れることが架構の基本的ルールでしたが、1間ごとに柱を入れることをMsの基本的ルールとしました(写真は三澤邸の食堂)。
ツーバイフォーの康彦さんと民家型構法の文子さんが、二人三脚でつくり出したMsのデザインは、40年をかけて進化を続けています。その軌跡は多くの書籍や雑誌に残されていて、こうした書物やウェブの記事をお読みいただいたうえでお仕事を依頼されるケースが多くあります。
一方インスタグラムでは、書籍や雑誌には出てこない、日常の文子さんや事務所の様子をお伝えしています。インスタを通して、どんな人が・どういう環境のなかで・どのように設計しているかなどを紹介することで、Msの仕事をより深くご理解いただけると思っています。
Msインスタの一番人気かつ一番多いカテゴリーは、やはり「ふみこ食堂」。ふみこは漢字ではなく、ひらがなです。「子どもが1人で入っても怪しまれない食堂」というコンセプトで始まった「こども食堂」。その活動に心を動かされた文子さんが、自ら「ふみこ食堂」と呼び始めたので、ひらがななのです。
今年の新年会の手巻き寿司。いつもながら美しすぎる盛り付け…
ふみこ食堂の充実ぶりに、インスタをご覧になった方から「大変ですね」とお声掛けいただくことがあるのですが、文子さんは「まったく大変ではなく、むしろ楽しんでいる」と答えています。料理と建築は、できあがりをイメージし、素材を選びつくり方を考えて、時間内に仕上げるという流れが一緒。
「料理ができない人は台所の設計はできないというのがMsの住宅設計の思想」と文子さん。器えらびや盛り付けまで抜群のセンスで、フォロワーさんから「ふみこ食堂をみて晩ごはんを決めている」という嬉しいコメントをいただいたこともありました。
プロジェクトの様子もできる限りお伝えするようにしています。住まい手さんにもよくご覧いただき、スタッフの中尾さんも、まだ直接お会いしたことのなかった住まい手さんや工務店の方々が顔を覚えてくださって、初対面でもすぐに打ち解けることができたと喜んでいました。
この2年間は1日も途切れることなく投稿を続けてきました。中尾さんのように予想していなかった効果もあり、これからもエムズの日々の様子をほぼ毎日お伝えしていきます。ぜひ ms.architects.jp をフォローお願いいたします。そしていつか、ふみこ食堂をご一緒しましょう!
村上洋子