芦屋・翠ヶ丘の家 改装工事③
先日より紹介しています芦屋の家の改装工事、続きです。(これで最後です)
この住まい、西側境界の塀の代わりに格子を立てています。格子は杉材を白く塗装したものです。
風雨にさらされる部分です。格子材の上部は問題ありませんでしたが、足元が腐って、ビスが抜けた状態になっていました。ビスも劣化して折れていたものもありました。
この格子、140本ありますので全て新しいものに取り換えるのは非常に手間もコストもかかります。そこで、今回腐った格子材の足元のみを全てカットし、水に強く腐りにくいイペ材を土台に入れました。
イペ材は非常に硬い木です。加工するのにも大工さんは苦労されていましたが、がっちりと固定することができました。杉の格子も地面から10㎝ほど高い位置になり、腐りにくい状況に改善しました。
次は玄関までのアプローチです。
既存のアプローチは島根県産の福光石を張ったものです。福光石とは青緑色の凝灰岩で石としては軟らかい素材です。
アプローチも日々の使用で摩耗し、目地を設けた部分が欠けているものがありました。
ほかの素材で舗装し直すことも検討しましたが、新しい福光石を貼り直すことにしました。また欠けることのないようにスリットを設けずに突きつけて施工しました。青緑の福光石、きれいで歩きやすい素材です。
最後に室内のフローリングの再塗装です。
芦屋の家のフローリングはカラマツです。新築時から12年、日焼けで変色し、日々の生活の中で摩耗した部分は白くなっていました。この機会に表面をサンドペーパーで削り、再度塗装をかけることにしました。
大工さんが木粉まみれになりながら、しっかりとサンドペーパーで削ったところ、新品同様のカラマツの素地が現れました。その上に蜜蝋ワックスを塗装。住みながらの施工ですので、においの少ない蜜蝋ワックスを選択しました。
グレー色になっていた唐松が見違えるほどきれいになりました。想像以上の効果でした。足触りもさらりと気持ちいいです。家具の移動や養生などに住まい手さんも苦労しましたが、この機会に再塗装できたことは大成功でした。
住まい手さんが日々の生活の中で思案を積み重ねた内容を思い切って実行した今回の工事です。住まい手さんにとっても、住みながらの工事はストレスが大きかったと思いますが、リニューアルした姿に喜んでいただけました。手入れした住宅のこれからの経年変化も楽しみなところです。
(スタッフ 田尻)