鹿児島 球磨杉
久しぶりの林産地です。
鹿児島空港からレンタカーで約1時間30分で、湯前町に着きました。
ここに木材店ですが「球磨プレカット」という店があり、もちろん名前の通りプレカットもしています。
今から18年前の阪神・淡路大震災の時、仮設定住木造住宅建設用の材を関西に提供してきました。
それまでは下の写真のように、芯持ち構造材が普通でした。
(芯持) (芯去)
しかし九州は温暖で雨量も多くスギの成長が早いので、丸太の径が太くなりすぎて芯持ちでは利用できないものも多く育ってきたという、
関西から考えると不思議な山の成長が九州にはあります。
ようするに1本の丸太から2本構造材がとれてしまうという、びっくりするようなことになっています。
それゆえ「芯去りの構造材」という名前が登場してきました。
芯去りの良いところは、絶対に割れないところです。しかし若干反ります。
燻煙前処理で丸太の素性を良くし、前乾燥させ、あとは天然乾燥することで、その部分の欠点を克服して構造材に利用できるようにしました。
いい話です。
燻煙前処理は、上の写真の燻煙乾燥機に入れ約90度で72時間燻します。(水蒸気も一緒に送り込んで)
これが燻された状態の丸太です。
製材し、鉋をかけると上の写真の上段のようなもので、綺麗です。
それから移動して、森林組合の土場に行きました。
熊本はもう秋です。稲刈りがあちこちで行われていました。彼岸花も咲いています。
秋ゆえ、新鮮な杉丸太がいっぱい山から出てきています。
樹齢80年・直径52cm・4M
これが悲しいかな、2.5万円です。
1本がです。
80年間、時代の波を被りながら良材に仕立てて、この価格。
山から丸太を出さない人たちも多いのです。
今の価格は先人の汗の分は認めてくれてはいません。
夕方近くになったので、人吉の有形登録文化財の旅館へ・・・
鮎尽くしの夕食です。
7匹ほど、いろいろの料理で出てきます。
全部、鮎です。
人吉のまったりした温泉、球磨川の水、そしてそこで育った鮎。
山がこれらの恩恵を与えてくれます。
感謝。
三澤康彦