原木市場へ行ってきました
現在計画が進んでいる鳥取県M邸は、着工が来年度のため構造材を段取りするのにも十分な時間があります。
そこで、三澤氏が足を運んだのは材木屋ではなく、山から切り出してきた丸太が並ぶ原木市場です。
一面の、丸太、丸太、丸太。。
M邸の現場から車で1時間ほどの距離にある米子原木市場には、この日の特別市のために周囲の山から集められた原木(丸太)がずらーっと並んでいました。
圧巻です!
さっそく丸太の状態を見るため、中西理事長と山積みの原木の間を歩く三澤氏。
Jパネルの製造元である、協同組合レングスの中西理事長の買い付けに同行させていただきました。
棒を持った人は、"振り子"と呼ばれる市場の職員さんです。
振り子さんが価格を宣言し、競りが始まります。
同じスギでも、1本あたりで値が付くものと、ひと山(㎥あたり)で値が付くものと様々です。
価格は、売り手と買い手(需要と供給)のバランスで決定されます。
その中で、今回M邸で使用する構造材として三澤氏が目をつけたのは、こちらのサワラです。
同じ鳥取県で以前に竣工しました小さじいちでも、柱等に使用しています。
サワラは、ヒノキに良く似た材料で、木目や色目は申し分ありません。
しかしこの地域の山から搬出される量が少ないため、量を卸す必要がある材木屋さんからの需要が少なく、価格が上がらないという木材です。
今回のような住宅1棟分の構造材としては十分使える量ですので、市場としては買い手が付き、Msと住まい手さんにとってはお買い得ということになります。
地域を知ることで、三方よしの設計が可能になります。
このサワラは、じっくりと天然乾燥させた後、M邸を支える構造材に使用します。
これから丸太から、材になり、住まいになっていくのが楽しみです。
最後になりましたが、一つご報告をさせていただきます。
このたび、三澤文子氏設計の建物「北沢建築工場」が、「ディティール」という建築専門雑誌の表紙を飾らせていただくことになりました!
先日塗装の様子をお伝えしたW邸の施工業者でもある、北沢建築さんの加工場です。
細い部材の連続で大きな空間を支えている、印象的な建物です。
複雑に見えますが、実は特殊な材・金物は使っていません。
長野県で、普通に搬出されている材料をつかって、地域で活躍する普通の大工さんの加工によって施工されています。
その、地域材(木材・人材)を活かしたデザイン・設計が評価され、平成25年日本建築士会連合会賞・優秀賞を受賞いたしました。
この加工場、宿泊体験を行っている胡桃山荘のすぐ隣に建っています。
胡桃山荘に宿泊する際には、是非ご注目いただければと思います。