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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2018.09.24

Y邸手刻み! 沖本さんと大工仲間たち

① IMG_5498.JPG

9月も中旬に入り、秋らしく過ごしやすい季節となってきました。

9月17日の祝日。

Y邸手刻み打合せのため、沖本さんの加工場(京都・京北)を訪ねました。

「京北(けいほく)」は、現在は、京都市右京区の一部ですが、

北山杉の磨丸太の林産地として有名で、美しい里山の風景が広がります。

『Ms事務所(吹田市)から2時間半程かかるのでは?』と心配して、朝早く出発しましたが、

京都縦貫自動車道を使うと、実際は1時間30分!

あっという間に到着しました。

到着してみると、すでに大工さんが材を広げて、手刻み仕事の真っ最中!

沖本さんの仕事を理解する、兵庫県・明石の大工さんチームです。

② 20180916163400_IMG_1710.JPG

刻んでいるのは土台のヒノキ材です。

一本一本、ノミやカンナを巧みに使い、手仕事で材を刻んでいく姿に、思わず時間を忘れて見入ってしまいます。

【上写真 奥:伊東さん、手前:竹下さん】

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土台の継手は、「鎌継ぎ(かまつぎ)」です。

上写真の左右の材が、ピッタリと接合するよう加工されています。

よく見ると、細部まで工夫されたディテールになっており、大工さんの知恵と技術が詰まっています。

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今回の計画では、土台も「化粧」材として、室内に見える箇所があります。

Jパネルの壁が入るスリットや、柱の仕口など、とても綺麗な仕事です。

【上写真:井澤さん】

活気のある加工場の一角で、図面を元に、沖本さんと打合せを行います。

直接材をみて、触れて、話すことで、アイデアがたくさん生まれてきます。

⑧ IMG_5598.JPG

上写真をご覧ください。

土台の中央部に、材を「貫通」するように穴があいています。(柱のホゾ穴です)

通常のプレカットでは、材を貫通させずに、ホゾ穴を掘ることが一般的ですが、

今回は特別に、土台のめり込みを防止して、基礎へ直接力を伝達させるために、あえて貫通させる納まりとしています。手刻みだからこそ、可能になった納まりです。

⑨ 20180915201409_IMG_1703.JPG

上写真は、ポーチ部:梁の「金輪継ぎ(かなわつぎ)」です。

横方向にスライドして、6メートルの材同士が接合されます。沖本大工のピカイチ仕事です!

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「金輪継ぎ(かなわつぎ)」を仮組して頂きました。

チークの込栓(こみせん)を”コン・コン”と打ち込むと、材が寄せ合うようにピッタリと繋がります。

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お昼は、京北の「地鶏バーベキュー」です。

写真中央:『おにいちゃん』の愛称で慕われる、下西ノ園さんがバーベキュー担当です。

なんと、沖本さんがこの日のために、一か月前から予約をして下さったほどの腕前です。

仕事中のため、”ノンアルコールビール”で乾杯です!

会話の中で、『現在は、手刻みによる繊細な木の仕事が少なく、今回の仕事は”粋”に感じている』

と嬉しいお話を頂きました。

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今回は、沖本さんの大工さんチームに加え、MOKスクール生である小坂さん、

大阪で唯一の刃物専門店:「のぼり刃物店(茨木市)」林さんにも参加を頂きました。

「のぼり刃物店」さんは、大阪の大工さんが集まる名店で、道具のメンテナンスの際、

リラックスして情報交換できる”サロン”のような憩の場となっているとのこと。

ぜひ、訪れてみたいお店です。

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また、この日は全員で、京北で木工を営む『山の家具工房』田路さんのお店を訪れました。

田路さんは、沖本さんの友人で、無垢材を使って非常にセンスの良い家具づくりをされており、大工さん達も夢中になって見学しています。

中でも注目を集めたのが、上写真:クリのサイドボードです。

扉が「蛇腹(じゃばら)」になっており、全面がオープンに開く仕組みとなっています。

盛りだくさんの内容となりましたが、

まだまだ伝えられないほど、木の”手仕事”は奥深いもの。

派手さはなくとも、『正直で丁寧な手仕事』に触れ、充実した一日となりました。

10月中旬の建て方も、今回の沖本さん大工チームで実施して頂く予定です。

皆さまのご協力に改めて感謝致します。Msスタッフ 上野耕市

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クリの端材を利用した、コケのアート作品(沖本さん作)