年が明け1月14日から2月22日までの5週間の工事期間にて、静岡県沼津市の保育園の0歳児室、1歳児室の改修工事が行われました。
施工は、富士市の建築工房わたなべさん。監督の新井さんは昨年末から準備を始め、抜かりないようにと緊張感いっぱいです。大工さんも数人入り、Msも中根君が現場に通って、入念な打ち合わせです。杉パネルを使った大工の造作家具の打合せは、住宅ではおなじみの光景。
保育室の腰板は無地の杉の赤身材を使います。巾木、見切り板が面一(つらいち)なので、大工さんは随分時間をかけて張り上げています。上下は白太で揃え、縦板も色味を合わせる丁寧さに、園長先生も感心して作業を見守っていました。
この日は、園長先生の提案とかで、年長さんが工事の見学です。大工さんが削った鉋屑を「ちょうだ-い!」とせがむ子どもたち。大工さんがモテモテでした。鉋屑を鼻に近づけて「いいにおい!」と叫ぶこともたちに「おれら、もう匂い、感じないな。」と大工さん。
木の匂いに包まれる仕事ってなかなかいいんじゃないかな。なんて思います。
そんなことで、杉パネルを使った調乳スペースも出来上がりました。住宅のキッチンの雰囲気です。少し違うのは、赤ちゃんの目線でつくること。赤ちゃんの手が触るところは、なるべく温かくて柔らかい杉の木。調乳室へも入れないように腰高の引き戸があります。
赤ちゃんが見上げると「満月が乗っかっているのかな?」って思うかどうか?
大人の目線から見ると、腰高の引き戸の戸当りを兼ねた、振れ止めの木の玉です。手触りが良く思わず撫でたくなるので、いたるところに取り付けたい気分になります。
高さ45㎝の子ども用手洗い台。これもいつもの洗面台を造る要領で、特注で製作しましたが、配管では水道屋さんがずいぶん苦労したとのこと。何とかおさまったので、監督の新井さんからも笑みがこぼれています。
床板はヒノキのフローリング。アルミサッシの手前には ポリカツインの入った木製建具で、框も杉材。付け柱も杉材です。これが付いたことで、ビフォア―アフターが一新しました。なんといっても「保護者の方々が、木の香りがする!って好評です。」とニコニコ顔の園長先生の感想が、厳しいお仕事へのなによりのご褒美でした。
三澤文子