長野へ木配りツアー
~長野へ木配りツアー~
Ms日記をご覧の皆さま、こんにちは。
今週は東京都のD邸の木配りについて、ご報告させていただきます。
担当は、東京スタッフの松岡です。
今回の木配りの舞台は、長野県の北沢建築さんです。
北沢建築さんといえば、美しい架構の工場棟。
詳細は過去のMs日記でご紹介していますので、こちらをご覧ください。
実は、事務所棟もすてきなのです。もちろん設計はMs建築設計です。
私事ですが、北沢建築さん訪問は3回目。今回は、念願の胡桃山荘宿泊のご褒美付きです。
胡桃山荘の詳細は、こちら
北沢建築社長の北澤宗則さんと、D邸の刻みを担当してくれる建築部の北原敬文さん。
北澤さんは、工場棟建築を英断した人。北原さんは架構を作り上げた職人チームのメンバーです。工場棟の架構で肋骨のように見える材は一本一本長さと角度が異なるため、加工には高度な技術が求められました。北原さんは、木材の性質を読む力と刻みには確かな腕を持つ大工さんです。
そして、D邸設計チームの中心メンバーである小森正和さん(こもり設計室)。
Ms所長の三澤文子も信頼する実力ある建築士。北沢建築さんは初訪問となりました。
(ちなみに北澤さんとは干支が同じ、北原さんとは一歳違いの同世代)
いよいよ、木配り開始です。
材寸ごとに束ねられた材料のバンドを、北澤さんがカットしていきます。
まるでテープカットのよう…
材の表情を確認しながら、どこにどの材を配置するかを吟味中。
木材の産地は長野県の根羽村で、「根羽すぎ」と呼ばれます。
信州木材認証を取得している、品質管理に信頼のおける木材です。
見事な9寸梁です。この材は、屋根の隅木に使われることになりました。
今回の材は、節が少なく木目のきれいな赤み勝ちの材がそろっていました。
重要な箇所に、よりよい材料を一本ずつ選んでいきます。
木配りに欠かせない軸組模型。図面だけでは感覚的につかみにくい架構も、3次元模型があれば一瞬で伝わります。登り梁などの斜め材は、伏図では正しい材長を表現できないのですが、模型があれば即座に確認でるのです。製作者はMsアルバイトの逢坂さんと小西さん。
図面と模型と木材をにらみつつ、化粧となる面を確認しながら思案中。
こうして、適材適所の木配りが進んでいきます。
木配りが済んだ材には、番付(小口に通り名を記入)をします。
番付は、刻み(継手・仕口の加工)を行う北原さんが書いていきます。
集中して作業した結果、お昼には作業が完了(すばらしい!)。
木配りの完了した材の前で、(マスクを取って一瞬息を止めて)撮影。
背景には、美しい架構の高窓からやわらかな光が差し込んでいました。
(いつ見ても、何度見ても飽きないです!)
今回木配りした材は、夏の間に北原さんが刻んでくれます。
今秋の上棟が楽しみです。材の組み上がった様子は、またご報告させていただきます。
Msスタッフ 松岡