コアー建築工房・美原モデルハウスのご紹介
7月21日、コアー建築工房美原モデルハウスのオープンセレモニーに招かれました。
竣工は5月の連休直前で、連休始まりには、予約者対象でオープンとなりましたが、今回改めての式典とのことです。
今回提案の、庭を楽しむ土間リビングを舞台とみたてて、ただいま私が挨拶をさせて頂いております。
さて、畑拓さん撮影の写真も届きましたので、この機会に、美原モデルハウスの紹介をさせていただきたいと思います。大きなモデルハウスなので、長い説明になりますが、最後までお付き合いいただければ幸いです。
庭を大切にした住まい。
庭につながる住まいを今回のメインテーマ、その大切な庭は、造園家・谷口萌さん作庭です。私の注文は「スロープでポーチまで。」 これだけで、庭とのつながり感が増しますし、みんなに優しい家という印象です。
庭の小道も楽しげで、
こんな風にテラスに椅子を出して、のんびりしたいものです。
広い玄関ポーチは大きな屋根の中。桁は野趣あふれた感じで、この節の加減も気に入っています。
ここの内法が低いかな・・・と少し心配しましたが、これが良かった。この低さが落ち着きを感じさせてくれました。
玄関土間には、欅の敷台。これは奈良の梅田工務店から調達したもの。一枚板で右手クロークまでつながっている4m材です。
超短い工期であったのに、担当した大工さんの手際よさには、驚きました。欅の敷台も、スッキリ収まりました。
その玄関の敷台から見返し。正面玄関入り口。右手の開口からは、
土間リビングにつながります。
左手テラスから庭につながり、右手にはキッチンダイニングに。正面右手の引き戸を開けるとランドリースペースにつながります。
同じアングルで夜景はこちら。正面の引き戸があいて、ランドリールームが見えますね。
その土間リビングからキッチンダイニングを通して奥のリビングまで見通します。
手前に見える、土間リビングの、漆塗の名栗敷台が綺麗です。橘商店の名栗加工、漆塗りは沢田欣也氏。
キッチンダイニングの右手には高さ1200㎜、奥行450㎜の収納が見えます。この白い扉の収納は、リビング回りで必要な諸々なものが入っています。小さいお子さんの場合は、玩具なども。
キッチンからその収納棚が見えますが、これはワークスペースを仕切るカウンター。在宅のお父さん。そして、リビングスタディが主流になりつつある子どもたち、机廻りが見えないことで、綺麗に保てます。
キッチンダイニングを右に見て土間のほうを見返します。
天井は紀州の杉材の梁の間に柿渋紙が見えます。水平構面をつくる構造用合板に柿渋を貼ったもの。いつもはJパネルですが、この柿渋紙も予想以上に良い感じになりました。
同じアングルの夜景です。カウンターの板の色も、天井の柿渋紙も、夜の灯りのほうが明るく見えていますね。
キッチンダイニング。正面は、コンロのあるワークトップ、左手は食器棚。食器棚もワークトップの高さ(850㎜)に台があり、家電なども置けますが、文具などもおいておける落ち着いたスペースに。背面の真鍮板がポイントです。
さて、玄関近くに戻ってきました。正面は4畳半の和室、力強い梁と柿渋紙の天井の向こう小箱のように見える和室です。右手は玄関。
和室に近づくと和室の天井が見えます。杉の二分三(7㎜)板に杉の押縁で。床の間、床柱は赤杉、床板は樅(モミ)で、これらも梅田工務店さんから調達しました。ちなみに床の間の掛け軸は、「我、人と逢う。」今は亡き書家・青雨さんの書。
この際、裏方の家事空間も紹介しましょう。キッチンとパントリーの間から洗面室に入ります。入口の左右にも名栗の板が。
入って左には、ファミリークローゼット、略してファミクロが。そのファミクロの奥にはランドリーがあります。洗面室の手前の浴室から一直線。衣類の流れはこの軸に集約されています。
ランドリーから見返します。この軸の一番奥、浴室が見えますね。また、写真手前右手へ行けば、庭につながる土間リビングです。
そして、いつも忘れがちなトイレの紹介も。この手洗いは、左手トイレから出てすぐ脇にあります。トイレの中より、廊下にあったほうが、多用途に手洗いができます。マメに手を洗う習慣が日本国中で根付いてきた昨今です。
トイレの中は、全て杉板張りの木の空間で、杉の香りがします。
天井はドーム型。ここも柿渋紙を貼っています。
ようやくキッチンダイニングの奥のリビングです。
リビングではなんでもできるテーブル中心に、こぢんまりとくつろげる家族のたまり場をイメージしました。
夜が近づくと、窓には満月が。
階段を絡めた吹き抜けの「たまり場リビング」は、2階とつながるこの住まいのコア部分。です。
「たまり場リビング」の、奥のベンチに座れば、2階も1階も、住まいすべてが目の中に入るようです。
「たまり場リビング」横の階段から2階へ行きましょう。
右手に吹き抜け、見下ろせばリビングが見える2階ホールは、図書スペースになっていて、家族の本を全てここに集約します。
奥の個室は、打合せ室に使われます。左手は桁下で、天井高さ1500㎜程度。実はこんな空間がとても落ち着いて居心地がいいことを実感してほしいこともあり、打合せ室には最適かもしれません。
さて、2階までご案内しましたので、キッチンダイニングに戻って、夜の土間リビングへ。夜の灯りが杉の木の赤味を照らして、温かい色味を出してくれます。
朝の土間もすがすがしい。
このように日々穏やかに暮らせる住まいが良いですね。
静かなくらしの音や香りが感じられるようなシーンです。
充実したくらしができる、そんな住まいを提案していきたいと思います。
最後まで読んで頂いてありがとうございました。
(三澤文子)