Ms日記をご覧に皆さま、こんにちは。
今週は、上野より新しいプロジェクトをご紹介したいと思います。
今年の4月より「認定こども園」の設計がスタートしました。
敷地は、兵庫県宍粟市。
宍粟市は、兵庫県の中西部に位置しており、Ms事務所のある吹田市から、車で約1時間半の距離です。
林業・建築業界では「宍粟杉(しそうすぎ)」の産地として知られており、
森林率が90%にも及ぶ、緑豊かな里山環境が広がるエリアです。
上写真は、宍粟市山崎町の山手に位置する「山崎若葉保育園」の全景です。
赤い屋根の平屋建ての園舎が、とても美しいです。
園庭には、こども達が元気いっぱい走りまわっています。
地域のこども達をあたたかく育んできた保育園ですが、
令和5年度(2023年度)に、幼稚園と保育園の機能を併せもつ、
「認定こども園」として生まれ変わることになり、
その設計を、Ms事務所が担当させて頂くことになりました。
上写真は、Ms三澤が撮影したカットです。
後ろに山を抱えており、風景と園舎が一体となったような理想的な保育環境です。
季節の良い時期は、ほぼ毎日のように、山に散歩に出掛けるようです。
中央に映っているのが、中川園長先生です。
地域の木材と、OMソーラー(太陽光を利用した自然空調システム)を利用してこども園をつくりたいという想いから、Msの設計案を採用してくださいました。
この日は、一日体験調査で、真夏の暑い日に朝7:30~夕方18:00まで、みっちりと子ども達の生活の様子を、保育士の先生方のご協力のもとに調査させて頂きました。
打合せの中で、主任保育士の先生より、
『園庭に森をつくりたい』という言葉がありました。
こども園に移行するに当たり、この敷地を離れる必要があるのです。
新しい敷地には、裏手に山がないため、園庭を森につくり、できるだけ自然に触れ合う時間をつくりたいというコメントに、三澤も『それは良い!』と感動した様子です。
現在の保育園は、「濡縁(ぬれえん)」を介して、すぐに園庭と繋がります。
宍粟杉の丸太と床板は、なんともいえない味わいがあり、優しい空間です。
真夏と真冬以外は、毎日、子供たちが雑巾がけ!をしています。
この「濡縁」を、新しいこども園でもうまく設計に取り組んでいきたいと思います。
ラストに、新しいこども園をつくる敷地の写真をご紹介します。
同じ町内ですが、中心街に近く利便性の高いエリアです。
現在は田んぼで、稲刈り直前の時期です。
今年の稲をすべて刈り取って、来年度よりこの地で工事が始まる予定です。
敷地の西側には、シンボルとなる桜の大木と、小さなお墓。
裏手には、揖保川の支流(伊沢川)が流れています。
こちらも、土地の魅力を感じます。
設計は、これからが本番。
頼もしい設計チームのメンバーと、力を合わせて取り組みます。
今後、チームのメンバーも徐々にご紹介していきます。
上野耕市