京都大学森林科学公開講座に参加してきました。
京都大学の宇治キャンパスです。
10月8日・9日の2日間、一般の人に向けた公開講座が開催されていました。
この門をくぐるだけで賢くなったような気がしてしまいます。
私は材艦調査室という部屋にて「顕微鏡で観る」という講座を受講してきました。
小さな木片から、木の種類を識別する方法を体験できる講座です。
実習中の様子です。
高橋けんし先生が前にあるモニターで説明をしてくださっています。
みんな話を聞かずに久しぶりの顕微鏡に興味しんしんです。
顕微鏡の中の様子です。これは杉の木口面になります。
色の濃い部分が晩材(秋~冬)、色の薄くなっている部分が早材(春~夏)です。
丸くみえているひとつひとつが仮道管をいう細胞の断面になります。
仮道管は水の通り道であり、木材の体を支える役割もあります。
これも杉ですが、特殊な薬剤でばらばらに分解されたものです。
真ん中の大きな細胞が先ほどの仮道管です。
そのほかの小さいものは柔細胞と言い、栄養の貯蔵を行うそうです。
こちらはミズナラの木口面です。
杉と違い、初夏に一気に太い仮道管を形成する特徴があります。
このように、木材の種類ごとにその特徴がひとつひとつ異なります。
小さな木片から樹種の特定ができたら、様々なメリットがあります。例えばこの施設では
文化財の樹種の特定をして日本の木の文化を正しく検証する事などに貢献しています。
私としては、既存の建物の詳細調査によく参加させていただいているのですが、
材が古すぎるときなど、樹種が判断できない時がしばしばあります。
樹種をはっきりと判定することが出来たら調査の精度を上げることにつながります。
今回の実習では、樹種の判定の段階まではしませんでしたが、
それができるようになれば非常に有効なツールの1つになると感じました。
この材艦調査室には世にも珍しい木材の資料がずらりと並んでいます。
公開講座は定期的に行るとのことです。皆さんも参加してみてはいかがでしょうか。
スタッフ:日野