コロナウィルス感染、第6波の最中、お食事会もままならない日々に、写真ファイルから懐かしい会食の写真を見つけました。
これは7年前、奈良の梅田工務店社長夫妻と共に京都の俵屋さんに宿泊した時の会食の様子です。三澤康彦さんが、はしゃいで写真を撮っています。また京都に行って、俵屋さんに建築仲間と泊まって、勉強と楽しい会食をしたいものだと、しみじみ思いました。
さてこの写真は、その時のお部屋の脱衣室。華奢な引き違い戸の向こうは浴室です。柱には匂い袋と、収納棚の前にはカーテンが。絶妙に素敵です。カーテンの素材を探りましたが、しっとりした感じは絹だったような。
私もカーテンを収納の扉代わりに、と提案して20年以上になります。初めのうちは素材やタックの取り方など、試行錯誤がありましたが、最近はやっと安定してきました。
これは、若い夫妻の寝室の収納です。布団や衣類など諸々を収納する棚が造られていて、それを隠すので、扉だと中の仕切りと扉の大きさが合わなければならないのですが、カーテンにはその制約がないので自由自在です。カーテンを全開して整理ができるのが良いですね。
これも、子育て世代のファミリークローゼット兼セカンドリビング。写真左手に2間の幅のクローゼットのカーテンが見えます。セカンドリビングでもあるので、赤ちゃんがゴロゴロして遊びますが、扉にゴツンすることもなく、逆にカーテンの中に隠れて遊んだり・・・
さてこの写真は、実験住宅(NEXT21/風香る舎)の中の、高齢者を想定した住まい手の寝室です。やはり収納にはカーテン。扉よりも開けるときに力を必要としませんから、力が弱い人も、億劫な気持ち無く開け閉めができます。
これは改修した推定築180年の民家の座敷。床の間のあるこの座敷、向かって右隣和室は、板の間にして、ご主人の寝室になりました。ここでも衣類収納の前にカーテンが。座敷の連続でも違和感なく馴染んでいます。
お気づきの通り、布地は全て同じで、オフホワイトの優しい色。質感は触って柔らかく、当然洗濯もできます。実は、これはカーテン生地ではない布地で、大阪の江坂にある布地のデパート(5階建?)でいつも購入し、いつもの内装屋さんに縫ってもらいます。さらにオリジナル感を出すために、この家のロゴをデザインして染めることも。写真のカーテンには鳥の絵柄が染められています。
空間が軟らかくなり、吸音性もあり、利点が多いカーテン。さらに扉に比べお値打ちなのがとてもお財布にやさしい。いずれにしても「やさしい」カーテンなのです。
(三澤文子)