連日の猛暑が続いていますが、皆さま元気にお過ごしでしょうか。7月17日(祝日)・7月18日(平日)の2日間、こども園「宍粟わかば」の竣工写真の撮影を行いました。
カメラマンは、畑拓(はた・たく)さん。Msとは長年の付き合いで、近年はすべての物件で竣工写真の撮影をお願いしています。Msの竣工写真は、建物完成直後ではなく、“住まい手(利用者)”の生活が一段落した時期に撮影するのが特徴です。
それは、住まい手(利用者)の生活を考えてのこと。完成した建築のフォルムと共に、住まい手(利用者)の「生活感」、そして周囲の環境まで含めた、その場所にしかない「風景」を記録することを大切にしています。
今回のMs日記では、撮影1日目の様子をお伝えしたいと思います。
畑拓さんが最初に狙ったのは、東側の田んぼからの全景です。青々とした田んぼと平屋建ての木造園舎、背後に山を抱えている風景は、敷地の特徴がよく現れています。地域の皆さまが利用する「里道」から写真に収めます。
Msでは、かならず設計スタッフ(もちろん、三澤文子さんも)がカメラマンに同行します。建具の開け閉め、照明のON-OFFなどのフォローを行うことはもちろん、実は、プロのカメラマンの「視点」を学びたいという目的もあります。
上写真は、遊戯室前:広縁における撮影の様子です。カメラの中央(正面)に、六角柱を置いています。あえて、柱を中央に置く構図で、どのような写真に仕上がるか、今から楽しみです。
ドローンによる撮影も行いました。こども園「宍粟わかば」の木造園舎は、配置計画に特徴があります。建物は、園庭を中心とした「Cの字」型の配置になっており、“空からの視点”がその特徴をよく現します。
ドローンが舞い上がった時には、Ms若手スタッフの中尾君・小西さんとともに、思わず「オー」と声を上げてしまいました。きっと素晴らしい写真が撮影できたと思います。
夜景も必ず撮影します。日没(19:00)から約30分間が撮影に適した時間帯。駆け足で写真を撮って廻ります。遊戯室では、高窓から「樹状トラス」が透けて見えます。昼間とは、一味違う景色が現れます。
『こどもを迎えにくる両親(家族)にとって、安心感をあたえるような園舎をつくりたい』というのは、三澤文子さんが計画当初から目指していたもの。キャノピーの夕景をみて、目指していたものがひとつ実現できたのではないかと安堵しました。
元気なこども達が生活する様子を撮影した2日目の写真は、竣工写真が完成したのち、改めてご紹介させて頂きます。
上野耕市