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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2022.05.20

トイレの設計には力が入ります! ~  定番の柿渋紙のアール天井と手洗ボール

設計依頼のご相談があると、まず大阪の千里ニュータウンにある事務所へお越し頂くようお誘いするのですが、その時は、事務所の隣にある三澤自宅をご案内します。ウナギの寝床のような細長い住まい。一通りご案内して最後が一番奥にあるトイレになります。

三澤邸のトイレ

ここにご案内すると、ほとんどの方が「いいね~」と言ってくれます。一番人気は柿渋紙を貼ったアール天井。この柿渋紙は、30年前に貼ったものなのに、古びるどころか年月とともに深みが出てきています。ということで、ご依頼のあった住まい手のお宅は、必ずと言っていいほど、この天井の形でこの仕上げになるのです。

漆塗りの壁のトイレ

とはいえ、アール天井の向きが変わることもあります。このトイレは、玄関近くにある、お客様を意識したトイレ。玄関廻りの漆の仕上げと連動して、トイレの中も漆塗りの板壁です。そして天井はやはり柿渋紙。住宅では、トイレを2か所設けることが多いのですが、1か所は客用を意識して良い空間のトイレをつくりたいと思います。このことをある大工さんに話したら、「トイレは一番気合を入れて造っているよ。なにせ隅々までジーっと見られるところだからね。」と言われて、大納得。私もいつもトイレで隅々をジーっと見ているのですから。

アール天井に柿渋紙を貼ったトイレ

このトイレもアール天井で柿渋紙貼り。アールの円弧が独特です。壁は杉の赤味の板で揃えて、ここも落ち着くトイレ空間になりました。

手洗い空間

畳一帖の広さのこのトイレには、トイレ内にあえて手洗台を設けず、出てすぐ左に。廊下にある手洗台は、まめに手洗いする習慣が定着した今、かえって重宝です。

入口がアールの天井

 このトイレはアール天井ではなく、入り口がアール形。2階トイレで右手天井の高さが低くなっているため、開口の高さを確保するための苦肉の策です。でもこのようなエレガントなトイレの入り口を定番にしたいくらいです。このトイレは、畳一帖よりも広いトイレなので、手洗台がトイレ内にしっかりつくれます。手洗ボールは、陶芸家、糸井康弘さんの作。ITOIボールと呼んでいます。ボールの口も広く、標準的な大きさの手洗ボールなので、水栓も蛇口にハンドル栓がついたタイプを選びます。手洗台を無垢板にする場合、水栓の下の方(天板近く)にハンドル栓があると、手を洗った後、濡れた手でハンドル栓を触り、板の上に水滴が落ちてシミが付いてしまうからです。

コンパクト筒型手洗いボール

このトイレは、畳一枚より狭いコンパクトトイレ。それでも手洗台がトイレの中にあります。こんなコンパクトトイレ用に、糸井さんにお願いしてつくってもらっているのが、筒型手洗いボール。これなら小さな天板に手洗いボールを置けますし筒型ボールの中で手を縦にして上手く手を洗うことができるのです。ただ、蛇口にハンドル栓が付いたタイプの水栓は、蛇口が低いモノしかなく、低いと蛇口が邪魔になり手が入りません。それで写真のような、天板の近く、下の方にハンドル栓がある鶴口型の水栓になってしまうわけです。このトイレの場合「手を洗ったら、水を出したままで、まずタオルで手を拭いてから栓を締めてください。」と説明して、タオルバーの位置もボールのすぐ上に付けました。

苦肉の説明でしたが、毎回この手もつかえませんので、今後の改善が必要です。現在設計中のお住まいで目下大検討中なので、いずれ明快な説明ができる日が来るはずです!

三澤文子