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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2022.10.09

久しぶりに開催!漆塗りワークショップ

Ms日記をご覧の皆様。こんにちは!今週は中尾が担当です。Msでは久しぶりの開催となる漆塗りワークショップを行いました。ワークショップの様子を今週の記事といたします。

Msではお馴染みの漆師の沢田氏に、講師として石川県から遥々お越しいただきました。本日は宮内建築の加工場の空きスペースお借りし、ワークショップを行いました。というのも、京都市I邸の施工を宮内建築さんに依頼しており、I邸で使用する敷台と柱に漆塗りを施すため加工場をお借りし、ワークショップを行いました。

I邸住まい手さんにも参加していただき、一緒に漆塗りを体験していただきました。

下地塗装

ワークショップで漆塗りを施すのはサワラ板です。こちらは浴室の天井板として使用します。Msの浴室設計は、ハーフユニットバスを提案しているので、浴室を木で仕上げることができます。浴室空間に自然素材があることで一層、癒しの空間となります!

サワラは風呂桶や、米櫃によく使用されます。ヒノキ科に属するサワラは木材の中でも特に軽く、非常にやわらかい木材です。ヒノキほど香りや光沢はありませんが、調湿性が高く、材の”くるい”が生じにくいことから、浴室の仕上げとしては適材です。

Msベテランアルバイターの逢坂さんが塗っているのは、黄金弁柄という顔料に柿渋を混ぜた塗料です。素地に漆を塗るのではなく、下地の色の上から漆を塗っていきます。

沢田さんはI邸の敷台を塗っています。タモに名栗加工(京風名栗)を施した大きな敷台は、玄関敷台となります。黄金弁柄の箇所と、漆を塗った箇所の光沢の差が明らかです!漆を塗った瞬間にスッと木目と名栗加工が浮かび上がり、気品を帯びます。玄関に用いる赤色というのは魔除けの意味があり、とても縁起が良いとされています。こちらの敷台が据えられる日が楽しみです!

I邸は今月末に上棟を控えており、改めて現場のレポートもしたいと思います。

ふみこ食堂を囲む

本日の昼食は出張「ふみこ食堂」です!I邸の住まい手さんと宮内建築の大工の皆さんとで、カレーライスをいただきました。

カレーライス

Msスタッフの元気の源です!

乾燥棚に並べる昼食後作業に戻り、漆塗りの再開です。漆は湿度がないと乾きません。繊細な温度湿度管理が必要であり、漆乾燥棚のあるこちらの部屋は電気ポットを沸騰させ、その蒸気で湿度は80%近くまで上げました。漆氏作品紹介

沢田氏による漆の作品紹介が行われました。下地の色により、様々な色で仕上げることができますが、どれも深みのある上品な色です。名栗に漆がとてもマッチします。

食器などのイメージが強い漆ですが、建築にも度々使用されていた歴史があります。空間の強調色として漆の深い色があることで、一気に空間が引き締まります。漆塗りは塗り重ねる度深みを帯びていき、実際に手を動かし漆の魅力に触れた一日となりました。改めて、漆講師の沢田さん、宮内建築の大工の皆さん、住まい手のIさんありがとうございました。

スタッフ中尾