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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2023.12.02

木の建具が大好き!~ すべて引き戸の家を目指しています。

日本家屋の建具はとても素晴らしい。引き戸の建具は、内外につながりを持たせて自然と共に生きる暮らしを尊重してきた日本の暮らし文化といっていいと思います。

Msでは一つの住宅に(引き戸でない)開き戸の建具は、おそらく1つか2つ。すべて引き戸を目指しているので、玄関も引き戸です。

玄関はガラス框の引き戸で、窓のように光を沢山入れることができます。板戸ではどうしても玄関が暗くなってしまうのでガラス戸がベスト。「防犯については?」と心配する必要はありません。

このように、ガラス戸の外に格子網戸があります。春や秋の爽やかな日は網戸だけにして施錠しておけば、安心して風を通せます。施錠はガラス戸+格子網戸で3か所が可能。かなり防犯に有効ですよね。

昨今、カーテンやブラインドが主流になりつつある窓辺ですが、やっぱり障子は素敵です。上の写真の障子は土間とリビングを仕切る建具ですが、南の土間の強い光が、障子で柔らかい明るさになり、リビングを優しい雰囲気にしてくれます。この障子は、太鼓障子といって、組子の両側に障子紙が貼られています。格子の桟に埃が乘らないことや、障子紙もガラス繊維入りの紙で簡単には破れないことを説明すると、女性陣も納得してくれます。それに太鼓になっていると、真ん中が空気層。防寒にも効果がありますよね。

防寒のために太鼓障子は持ってこい。ということで、この新築の住宅では性能の良い樹脂サッシの内側に、さらに太鼓障子もあり万全です。それに樹脂サッシの枠が見えなくて素敵感がアップしますよね。

これは、改修したお宅の階段室です。階段室ということもあり、既存のアルミサッシをそのまま使いその内側に設けたこの障子。これは断熱材の入った障子で、Msでは「断熱障子」と呼んでいます。内側は乳半のアクリル板、外側は障子紙で真ん中に断熱材(パーフェクトバリア:再生ポリエステル)を入れています。内部をアクリルにするのは湿気を通さないためで、それを障子紙にすると外側のガラスが結露してしまいます。

これも改修したお宅の玄関室。やはりコストの関係で玄関室の窓は既存のままで、ということになりましたので、内側に乳半アクリル板の障子をいれました。ここではあえて桟をチークにして見せています。この障子を入れたことで、玄関室の雰囲気が一変しました。

さてこれは、部屋と部屋をつなげる窓で蔀戸(しとみど)と呼びます。こども室から吹きぬけにつながっていて、たいてい開けっ放しです。夏冬は全館冷暖房で、どこも同じような室温が理想ですので室内の窓が役立ちます。蔀戸は、簡単なツッパリ棒で支えていますが、磁石やビスを使って開け閉めも簡単です。

蔀戸の下はリビングなので、暖房の暖気が上がってこども室も暖かくなります。それに家族の話し声も聞こえてくるのは、子どもたちにとって良いのか悪いのか??

ところで、この蔀戸は引き戸ではなく開き戸でしたね。開き戸ゼロを目指すというのは、間違いで、「蔀戸以外の建具は全て引き戸を目指す!」というのが正解です。

(三澤文子)