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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2023.09.30

独立柱が素敵!~樹木が大地に立っているイメージで。

木造は柱や梁の骨組みしっかりしていることが第一です。柱や梁が見える真壁構造では、家を構成する多くの柱が目で見えますが、人間で言えば骨格が健康であることを日々確かめられることと同じ。それって、実はとっても安心で健全なのではないでしょうか。

民家で見る大黒柱のような独立した柱、つまり独立柱は、現代の家ではあまり見られなくなりましたが、独立柱ってしみじみ素敵だと思うので、Msの木の家にはよく登場します。

この写真は築35年の家を改修したものです。構造の骨組みに問題があったこともあり、梁の補強や柱の補強をしっかり行いましたが、写真中央の柱は補強のため加えた柱。この柱を壁の中に入れてしまうと狭苦しく感じるので、あえて壁から出して独立柱にしました。柱は栗材を選び大工さんに八角形に加工してもらい、そして漆を塗って素敵な独立柱に。この柱の存在のおかげで空間に広がりと奥行きが出て、とても素敵な雰囲気になりました。

この独立柱はケヤキ。やはり八角に加工していますが無塗装です。工事中は養生の紙を巻いてあり工事か終わって養生紙をとっても、まだ鈍い色味であったものが、日に日に深い色味に変わっていきました。思わず撫でたくなる木目です。樹木がすくっと大地に立っている姿をたとえ加工された柱になっても住まい手に見せてくれている。大げさに言えば森の再現でしょうか。

マンションの中にできたキッチン。キッチンの前に独立柱があり、邪魔なのでは?と思われるかもしれませんが、独立柱に邪魔感は、ほぼありません。

引いて見ると、キッチンの前にある柱によってダイニングとリビングの空間を分けているのですが、ちょうどTVの前から写しているこの写真、独立柱によってダイニングの居場所が落ち着いて見えると思いませんでしょうか。ここは集合住宅の1住戸ですので、構造的な必要性で設けた柱ではなく、このように居場所の雰囲気を分ける意図で設けています。

2階リビングのこの家は、杉の小幅板の天井が優しく明るい空間です。1階玄関から階段で2階へ。リビング入り口の李朝風デザインの引き戸を開けると2本の独立。この柱は大切な棟木を支えています。180㎜の八角柱2本は栗材で杉の色味に近く、棟木の杉材も天井材に埋没したように目立たない存在になり、全体的に柔らかい雰囲気をつくってくれています。

柱があると登りたくなる・・・大人はそんなこと考えもしませんが、原始人に近い(?)ちびっこは木に登りたくって仕方ない。都会の中に森が・・・そんな住まい空間が出来ると良いなと思います。

三澤文子