豊中の家(長期優良住宅)が完成しました!
3月に上棟した豊中の家が竣工しました。Msの長期優良住宅先導事業に基づいた物件です。
今回は夏の遮熱対策がテーマの一つの住まいです。
延床面積28坪のコンパクトな住まいですが、Msの木の住まいが凝縮されています。今回はそんな豊中の家のご紹介です。
豊中の家は、2階にキッチンやリビングがあり2階中心となる住まいです。当敷地の周辺には敷地いっぱいに建つ住宅や3階建ての住宅が多いので、2階を中心にすることで日常の視線を少しでも上げて周囲と軟らかく仕切られる工夫が必要なのです。
と言っても、南と西側が接道していて北側(写真左手)は水路に接している為、日差しは充分確保できます。
屋根の勾配がそのまま2階の居室の勾配天井となるので、切妻屋根の場合天井上部の三角形部分に熱気が集まります。それを換気扇(写真左)で循環させ、夏場には1.25Mの深い軒や簾が日射遮蔽の役割になるのです。空気の循環が夏の対策には欠かせません。
結構これが効くのです!
もちろん、豊中の家は長期優良住宅ですので次世代省エネルギー基準をクリア(Q値2.38W/㎡K)しているのですが、基準値の算定には影響を及ぼさない工夫や効果も取り入れることが大切です。
下の写真のように、窓に格子を設けているのは視線を遮りながらも、通風を確保するためです。日中閉め切った状態にしていると空気の循環がなく、熱気がこもってしまいます。窓を開けながらも格子があるので防犯上も効果的です。
前後しますが、玄関部分。リシン吹付けの白い外壁に杉板が映える玄関です。
玄関扉を開けると、正面に見えるのが階段です。名付けて〝リートフェルト階段〟階段の踏板・蹴込板はMsお馴染みのクリの巾ハギパネルです。それと共演するのが杉の受材にタモの8角独立柱!このタモの8角柱には漆塗りも施しています。杉ばかりではなく広葉樹も要所で用い、表情豊かな住まいにするのが得意なMsです。
実はこの階段、踊場を少し下から覗いて見ると。。。
何とDボルトで吊っているのです!2階床の梁から吊っているので柱が1本で成立し、軽快な階段ができるのです。
玄関入って右手の式台(唐松の床板)は、名栗加工を施し、玄関の独立柱と同様に漆塗りを行っています。
漆塗り:沢幸漆店 (石川県小松市)
階段を上がるとキッチン、リビングダイニングです。
2階に2本あるクリの8角大黒柱も漆塗り。何とも頼もしい風格です。ダイニングテーブルは階段と同じクリの巾ハギパネルです。キッチンカウンターと一体のダイニングテーブル、コンパクトにまとまっています。
テーブル上部の吊照明は大工さん作製です。クルミのフローリング材で出来ています。表情豊かなダイニングになりました。
住まい手さんのご厚意により実現した見学会には総勢30名以上の方々が参加して下さいました。みなさんメモやカメラを片手に、説明に耳を傾けておられました。豊中の家の住まい手さんも芦屋の家や赤杉の家の見学会において仕上げのイメージ等を見て頂いていました。今回も工務店や設計者の他に一般の住まい手さんも参加して頂き、充実した見学会となりました。ここからまた新たな「木の住まい」づくりがはじまっていくのです。