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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2014.01.10

神戸市S邸 完成しました。

新年あけましておめでとうございます。Ms事務所は年末年始のお休みをいただき、今週より業務を開始しています。本年もよろしくお願い申し上げます。

2014年最初のMs日記ですが、竣工物件の紹介をさせていただきます

昨年の春から工事を行っていました神戸市のS邸ですが、年末に竣工を迎えました。

六甲山の麓の斜面地に建つ住まい、南・東が道路になっている大変日当たりの良い敷地に建っています。

斜面の下になる南側から見ると平屋のように見えますが、北側に2階部分があります。南に向かって斜面になっている敷地に合わせ、建物形状も南に向かって低くなるように構成しました。1階は南・東に軒先を深く設けた寄棟形状の屋根となっています。

 

東側の道路から見ると2階が見えます。2階の屋根は切妻ですが、破風板を設けずに軒先をかなり薄くつくり、軽快な印象を持たせています。敷地南は庭のスペースとして、東北側に駐車場・駐輪場を設けました。駐車場の横に玄関の入口があり、真っ直ぐつながる軒下を通ることで雨の日も濡れずに玄関に入れます。定番ですが、玄関建具は引戸として、施錠したまま通風を確保できる格子網戸を併設しています。

 

 

玄関の様子です。右は下足入などの収納になっています。建具は森林文化アカデミーの授業で私たちの手で塗った漆塗の建具。(授業の様子) 建具の素材はシナベニアですが、艶のある漆の質感が入ることで空間の質も高くなりました。また、左の白い壁はワークショップで作った土壁に仕上げ塗りをしたものです。(土壁ワークショップの様子)

玄関に入ると上部に寄棟の小屋組みが広がります。広い玄関ではありませんが、窮屈さは感じさせない空間となりました。

 

空間が広いと気になるのは寒さ対策ですが、この玄関は寒いときには天井が乗せられるようになっています。この天井は板状の断熱材に白く塗装をしたものですので断熱性は高く、軽くて持ち運びも簡単。使わないときは収納の中に納められるようにしています。

 

リビングから玄関側を見た様子。天井に見える小屋組みは75㎜×180㎜の杉の垂木を並べて、その上にJパネルを乗せたものです。隅木から東西に並ぶ垂木がきれいに見える天井を構成しました。

 

南側の大きな開口部は木製建具を納めています。床材は厚さ30㎜の杉板。温かみがあり、柔らかい足触りが気持ちいい素材です。杉のパネル材を使って、西面・東面とも壁面に大きな本棚を製作しました。

 

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リビングの奥がダイニングスペース。屋根勾配に沿って天井が下がっていますので、テーブルの上は天井高さがを少し抑えられ、座って居心地の良いスペースとなりました。ダイニングテーブルの上の照明はクリの板で作っています。

 

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作り付けのダイニングテーブルはチーク材。数枚の板を接着して広い板をつくりました。角を丸くした独特のかたちのテーブルは棟梁が丁寧加工したものです。

 

 

最も南側にあるキッチンは15㎝ほど床が下がっています。チークのダイニングテーブルとキッチンの天板が同じ高さですので、テーブルを使っての調理作業もしやすくなっています。キッチンの収納などはタモ・杉などのパネル材で製作したものです。

 

 

リビングの北側は書斎コーナー。敷地斜面に合わせて、リビングよりも60㎝ほど床の高さが上がり、南庭を上から一望できる気持ちいい場所となっています。

 

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2階の様子。南側に設けた窓からは天気の良い日は神戸市内や神戸港まで見えます。


南側のデッキは最大1.8mの深い庇の下にあります。この庇が夏の日射を遮り、建物やデッキを雨から守ります。これだけ深い庇があっても冬は日当たりがよく、デッキの上はとても気持ちの良いスペース。このデッキの南に広く設けた庭が緑化していくように、これから春にかけて、庭づくりなどを少しづつ進めていく予定です。

スタッフ 田尻