秋晴れの空に真っ赤な柘榴の実。Msのエントランスアプロ―チはには、右手からは柘榴、左手からはノムラ紅葉の枝がアーチをつくり、来訪者をお出迎えしています。特に秋には柘榴がたわわに実り、みごとな光景です。
真っ赤な皮の柘榴の中身には、 まるで宝石のような、真っ赤で透き通った 種がぎっちり詰まっています。
今年は、例年に比べタワワに実った感がありますが、こんなに実っても、収穫して食することもなく、落ちてしまった実を数個、干からびるまで飾って楽しむくらいなのです。
この鮮やかな赤はまさしくMsのラッキーカラーでもあります。エントランス左手の真っ赤な柱と、Msのロゴも真っ赤。2台の社用車も赤。ステップワゴン(HONDA)はそもそも赤が無いので、購入時に全塗装したほどです。
さて、室内から見るMsの庭。この夏Msに変化がありました。エントランス、入ってすぐの打合せテーブルが、三澤文子用の仕事テーブルになったことです。
長らく2階にあった仕事スペースはそのままにして、このテーブルをブランチとして使うこととしました。
この席から見る景色が、この事務所内で一番いい席だということを発見したからです。
Ms開設から34年、ここを改修して事務所として使い始めて28年になりますが、28年目の発見ということになります。
またここは、眺めの良い特等席というだけでなく、スタッフを呼びつけて打合せをするのにもちょうどよく、デスク型でなく、テーブル型のほうが使いやすいというのも、もう一つの発見でした。
ちょうど、この席を使い始めたころに、Msのスタッフに加わった濱田由利香さん。毎朝、エントランス近くの観葉植物に水やりをしてくれます。
室内の緑の向こうに庭の植物の様子が見えることも、生活と庭との関係を感じさせてくれて、気にいっている理由なのかもしれません。
Msの庭づくりの理想は、草花が混在したナチュラルな庭。ちょうどクリムトの「農家の庭」のような、実や花が咲く生活感ある庭です。「草が生えるのが嫌なので・・・・」という施主の声に、好きな草をのびのび活かす庭も良いのでは?と思いながら、まだまだ説得力がありません。
Msの庭はまさしく草が奔放に生える庭で、そんな状況の上の写真、真ん中に敷石のある下には2015年に永眠した愛猫のチャケが眠っています。
もうひとつ、この夏に発見した 風景があります。自宅の現在仏間からMsを見下ろすことが出来る窓。庭の樹木が旺盛に茂って、周辺の集合住宅の建物を隠し、まるで森の中にあるようです。
いつまでも発見が出来るように、常々空間観察の眼を養うことが、設計のトレーニングなのかな。と思っています。
三澤文子