Loading...
わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

非常勤&リモートワークの村上です。三寒四温で暖かくなってきました。6日は啓蟄、もうすぐ虫たちも動き始め、春らしくなりますね。

住まい手のKさんからメンテナンスのご連絡をいただき、まだお正月気分が残る1月上旬にご自宅を訪問しました。施工は羽根建築工房さんで、担当の和田さんがずっとメンテナンスをしてくださっています。完成して約20年が経過して、今回は玄関周辺のリフレッシュ工事も考えているとのことで、お話をうかがってきました。

寒い日でしたが、リビングに入ると薪ストーブが暖かく迎えてくれました。夫のHさんが「薪ストーブが欲しくて、薪ストーブに合う家を建てた」とおっしゃる通り、大切に手入れして使われています。年齢が上がってもHさんがご自身で煙突掃除できるような改良を、今回のメンテナンス工事で行うことになりそうです。

リビングには丸太梁が使われていて、珍しく感じました。尋ねると、Hさんのおじいさまが住んでいた古民家の丸太梁にブランコをかけて遊んでいたので、自分の家にも丸太梁を入れたかったと教えてくださいました。このような、こども時代の記憶が、新しくつくられる場所で再現され引き継がれていくのは、木でつくる家ならではの醍醐味です。

丸太梁がかかるリビング。新しい住まいの設計 20054月号より

Kさんご夫妻とは初めてお目にかかりましたが、Hさんのトークと、妻のYさんの突っ込みが絶妙で、ずっと笑いっぱなしでした。設計にあたり、Yさんが文子さんに「居心地の悪いこども部屋を作って欲しい」と希望された結果、お子さん達がリビングに集まってくるようになり、息子さんが反抗期のときも、「まったく口をきかないのに、なぜかリビングで一緒にテレビを見ている。そして、まったく口を利かないまま食事をしていた。依頼した甲斐があった。」と、みんなで大笑いしました。

どう見ても居心地が良さそうなこども部屋。よほどリビングが心地よかったのでしょう。新しい住まいの設計 20054月号より

当時文子さんが岐阜の森林文化アカデミーで教鞭をとっていたこともあり、Kさんはアカデミーの学生が工事に参加する機会を与えてくださいました。その時の学生で、のちにMsの所員になったOGの船木さんからも、Kさんは岐阜の白鳥林工さんまで足を運び、木を選んだり材料検査に参加されたりして、家づくりに熱心だったこと、また、一緒に壁にしっくいを塗ったときには、いろいろとハプニングはあったものの、大らかに受け入れてくださったことなど、とにかく楽しかったとお聞きしました。

これから築20年に向けてのメンテナンスになりますが、このメンテナンス工事も楽しい思い出になること間違いありません。玄関回りのリフレッシュ工事が完了しましたら、Ms日記でご報告いたします。Kさん、引き続きよろしくお願いいたします!

村上洋子