みなさんこんにちは!
今週のエムズ日記は堀田が担当します。
今年の2025年4月1日に建築基準法が改正されました。
改正日前の3月31日にむけて確認申請を急がれた建築関係の方も多いのではないでしょうか。
今回、僕が担当した岐阜市のK邸リフォーム工事も、3/31ギリギリに申請を下ろすことができた物件です。
工事内容は雨漏りがする屋根のやり替えや、木塀の修繕、傷んだ内部の建具を修繕するというものでした。
修繕前の様子です。
22年前に建てられた住まいで長年の雨風により、ポリカ屋根から水が漏れて梁や柱に腐朽が見られました。
この家にお住いの方は、共働きで仕事が忙しく、家のことをする時間が取れなかったそうで、
今回、竣工ぶりにエムズへメンテナンスの依頼が届き、工事が始まりました。
写真の屋根のかかっている部分は建築面積に含まれますが、以前の確認申請時にはこの部分は建築面積に含まれておらず、そのため、新たに屋根をやり替える場合は、「増築」扱いとなることが分かりました。
岐阜県のため、確認申請をWEBでやり取りできる審査機関に依頼しようと思いましたが、「増築や改修は受け付けていない」と言われ、岐阜市役所に行きましたが、市役所では「まずは民間の申請機関お願いしてください」と言われ、申請機関を探すのに苦労しました。
いろいろ探した結果、新築時に確認を下ろした審査機関にお願いすることが良いということが分かり、その審査機関にお願いすることにしました。
その審査機関とはメールと電話のやり取りで、審査機関も法律改正前で立て込んでいるためか、レスポンスが悪くスムーズに申請が進んでいきませんでした。
しかし、法律改正前の週から急にレスポンスが早くなりました。
審査機関も改正前に片付けないと、省エネや構造の資料など含めた再審査をすることを避けたかったのでしょう。
ちょうどその週は、泊りがけの詳細調査に行っていた時で、車の助手席で申請図面を修正したり、調査では小屋裏担当だったので、小屋裏で電話対応したりと大変な1週間でした!
ハラハラドキドキしていましたが、申請は何とか3/31に下ろすことができ、ホッとしました。
申請が終わり、解体から始め、屋根をやり替えるため、外壁と屋根が干渉する場所は外壁をめくる必要があります。
工事前の外観の目視では、雨による腐朽だと思っていましたが、壁をめくってみるとシロアリの被害も確認できました。
そこで、シロアリの専門家で、住宅医スクールの講師でもある水谷隆明さん(阪神ターマイトラボ)にシロアリの駆除を行っていただきました。
一般的なシロアリ駆除の業者は被害のあった部分に大量の薬剤を散布することが多いそうですが、水谷さんの場合は少量の薬を、地中にあるシロアリの巣に運ばせて、巣ごと駆除するという方法をとられています。
1Lの薬剤を専用の機械で泡状にすると、200Lの体積になるそうで、それを土間に穴を開け地中へ散布していただきました。
こちらの機械はシロアリの反応を調べる機械だそうです。
シロアリがいるとipadのグラフに反応が表示されます。
シロアリは解体などの振動があると、すぐに地中にある巣へ逃げてしまうようで、今回は反応を見ることができませんでした。
シロアリ駆除が終わると、既存の柱と梁に新しい材を抱かせるようにして補強しました。
これで構造的にも安心ですね!
内部も元々はポリカ屋根で、雨漏れがありましたが、
Jパネルの野地板+金属屋根とすることでしっかりとした、落ち着いた玄関になりました!
また2階の寝室を暖かくするために断熱改修も行いました。
改修前はJパネル落とし込みの壁のため、柱のちりが40ミリくらいありました。
今回の断熱改修では、この柱の間に断熱材と石膏ボードが一体となった30ミリのパネルを施工しました。
明るい和室に生まれ変わりました。白壁になったことで柱や梁がくっきりしてさわやかな印象になりましたね!
住まい手さんも「寝室にしては良すぎるくらいですね」と喜んでいただけました。
その他、外部木塀の修繕、建具の張り替え、建具の調整など、長年の経年劣化によって生じた不具合などに、今回の工事をお願いした、ゴトー建築さんと、MsのOBの中島さん(ink)に対応していただきました。
新築時の工務店さんが廃業したことから、住まい手さんも相談する工務店がなかったそうで、今回のリフォームをきっかけに、繋がりができて、今後不具合が出たときも安心ですね。
今回の工事で、改めて住宅はメンテナンスし続けていくことが大切だなと感じました。
堀田