住宅医プレスクールFrom新潟で登壇します ~テーマは「地域材と住宅医」
11月21日(土)はオンラインでの住宅医プレスクールがあります。From新潟での登壇とありますが、新潟会場に出向くわけでは無く、事務所に居ながらにして、リレートークのプレゼンターになるわけです。
(オンラインって本当に素晴らしい!)
すでに10/31に開催された From熊本では、80名以上の参加者があったとのこと、
From新潟も同じくらいの申し込みがあるそうです。
私のプレゼンテーションですが、おおかた出来上がりましたので、少しご紹介したいと思います。
タイトルは、「改修で地域材を沢山使う~木の家リフォームのすすめ」です。
いつもの改修の仕事について、「木材~そして木工事を担う大工」にフォーカスして資料をつくりました。
まず、改修といっても規模が大きくなると、木材を沢山使うことになりますので、規模が大きい改修で、茅葺屋根を取り除いて、2階を設けた事例、昨年完成した「畷のいえ」を事例に取り上げます。茅葺屋根を取り除き、2階を増築という事例は、ここ5年で2件ありましたので、このようなことを希望する方もそれなりにおられるのだと思います。
ただ、「2階を設ける」改修は、大変、難易度が高いので、必ず構造設計を行う必要があります。
紹介する「畷のいえ」の詳細調査は2017年12月に行われました。
差す組の小屋の中に入ると、小屋組み部材の中には折れていたものもありました。
耐震設計を行うには、RC基礎をつくることが前提になります。
そこで、床組みを造り変え準備を整えて、基礎を設けます(この、基礎工事方法は住宅スクールで学べますので、是非受講してください。とプレスクールでも協調いたします)
そして、断熱材もしっかり入れ、断熱性能が格段に向上しました。
左のレーダーチャートは、小さなレーダーが改修前の性能、青くて大きなレーダーが改修後を示しています。性能の向上具合がよくわかりますね。
構造材の杉材は、奈良県吉野の阪口製材さんから。 木又誠次棟梁の弟子、島岡大工が墨付けをしています。
そして、2階はこのような空間に出来上がりました。
2階を支える既存の1階は、
構造的にも問題なく、そして、今までと変わらずに、さらに綺麗になりました。
古材の力強さと、新しい木材の明るさや温かさの対比が、美しく感じます。
さて次は、兵庫県宍粟郡の「しそうの森の木」のご紹介です。
このスライドには、故・三澤康彦さんが映っています。
三澤さんが亡くなる1か月半前、2017年3月23日に工場を訪問した時の写真です。
ここで紹介するのは、今年3月末に改修工事が完工した、大阪ガスのNEXT21/501住戸
「風香る舎」です。
NEXT21 501既存住戸が解体されました。
一方、「しそうの森の木」では、大工の手刻みプレカットが進んでいます。
大きな断面に見えますが、柱は100角、差し鴨居が150×100になります。
これらを、集合住宅の中で、建て方をするのです。
朝から始まった建て方は、午後15:40には、このように。集合住宅の内部で立ち上がっています。
そして出来上がったのがこの空間。
柱と差し鴨居の構成が綺麗にできました。
天井の赤味の杉板も、とても暖かい色味でいいですね。
今回プレスクールで、特に紹介したいのが、改修工事の枠周りのこと。
枠材には、木パネルを利用していること、それが大変都合がいいことです。
このような、使いたい木材製品があれば、自由自在に、無理なく、木の空間が設計できます。
この改修で使った化粧木材は、全て地域材。そして全てどこの山の木なのかが、解るというのも自慢の一つです。
さて、11/21のプレスクールでは、さらにグラフや表などを入れこんで、解りやすいプレゼンテーションをしようと思っています。
「地域材と住宅医~地域の人材と木材で、地域の暮らしを守る」という、今回プレスクールのテーマにシンクロ出来るよう、頑張ります!
(三澤文子)