2023年8月宿泊体験記・Aさん
盛夏の胡桃山荘
午後三時。みはらしファームで息子一家と落ち合うと、直売所で地元食材を買ってから、胡桃山荘に向かいました。驚いたことに、真夏だというのに山荘内は暑くなく、窓を開けると、入ってきた風が部屋をすっと流れていきます。二階も快適でした。ソファに座って外を眺めているうちに、徹夜まがいのドライブの疲れが出たのか、あっけなく眠ってしまいました。
窓の外が夜の帳に包まれたころ、涼風に起こされて階下に降りてみると、夕食の仕度ができており、一同でテーブルを囲み、にぎやかに語り合いました。柔らかな明かりに照らされたテーブルの手触りや、床の足触りはしびれるほどに心地よく、孫を膝に、至福とも言える時間となりました。
木の家の評判は聞いていたし、ハウスメーカーのモデルハウスの見学経験もありました。木は熱伝導率が低いので保温性に優れ、吸音性もあるので耳障りな反射音が出ない。無垢材ならば接着剤などの化学物質の揮発もなく、癒し成分を放出してくれる――という程度の知識はありましたが、知ると感じるでは大違いで、身をもって体験することができました。
考えてみれば、太古の昔より木は人間にとって欠かせない存在でした。人は木で造った家に住み、木を燃やした火で調理をし、明かりや暖を取ってきたわけで、現代人が木の家に魅かれるのは、これらの経験がDNAに刷り込まれているからかも知れません。
翌日の午前中は庭の緑を眺めながらのんびり過ごしました。壁や天井や床にふんだんに使われている無垢の木のやわらかな素肌は、見ているだけで心が豊かになってくるような気がします。そう感じさせるものが本物の住まいなのでしょう。孫も床の感触が気に入ったようで、楽しそうに床を泳ぎまわっていました。
こんな素敵な体験の場を作ってくださったエムズの皆さまに感謝いたします。
諏訪湖近くに着いたのは朝早い時刻でした。台風の上陸が近いというのに真っ青な空が広がり、そこに車山の姿がくっきり浮かんでいました。山頂から見下ろす一面の緑が爽快でした。
宿泊 :八月十二日から十四日(二泊三日)
利用者:夫婦と娘、息子夫婦と孫の計六人