MOKスクール春のフィールドツアー
先週末にMOKスクール春のフィールドツアーに行ってきました。
今回の開催地は日本でもトップクラスの林産地である奈良県の吉野です。
参加者は工務店さん、大工さん、製材所さん、設計事務所さん、ゼネコンにお勤めの方であったりと、業種は多岐に渡りますが、木が好きな方々にお集まりいただきました。
新入生、OB生合わせて37名で2台のバスに揺られながら、いざ吉野へ!
まずは泉谷木材商店の製材所を見学させていただきました。案内人は「いずやん」こと泉谷繁樹さんです。実際に製材中の柱やフローリングを見せていただきながら、フリップなどで分かりやすく吉野林業についてご説明いただきました。
吉野林業の特徴は「密植」、そして「多間伐」。
木は環境が良いとすくすく育ちます。一見良いことに思えますが、成長の速い木はそれだけ密度も少なく目の粗いものになってしまいます。
吉野ではあえて密植をして木に我慢をさせて少しずつ大きく育てる。そして間引き(間伐)をして成長に必要なスペースを確保する。それを繰り返すことで吉野材の特徴である目の詰まった年輪となり、強度の高い材ができます。
ただそれだけ時間と手間を要するので吉野林業は林業界のガラパゴスと言われているそうです。
いい木を育てるのはやはり大変だと、改めて実感しました。
では実際に山へ行ってみましょう!ということで谷林業さんがお世話をしている山へ連れて行ってくださいました。もちろん道中も泉谷さんのレクチャー付です。
山に着くころにはもうお昼時ということで、泉谷さんにご用意いただいたお弁当で腹ごしらえを。
川上村の料理旅館「朝日館」のお弁当です。女将さんが3日程煮詰めたアマゴの甘露煮はとても絶品でした。
山に入ると日常離れした景色に囲まれて、気持ちが浮き立つような感覚と、空気がよいからでしょうか?妙に落ち着くような感覚と、自分でも不思議に感じながらもっともっと奥へと進んでいきます。
山の案内人は谷林業の前田駿介さん。作業道のつくり方について説明していただいています。
物静かな口調でありながら、山について熱く、誠実に話されていたことが印象に残っています。
レクチャー後は山の中を散歩して自然の香りを堪能しました。
山の次は酒蔵へ。
道中案内人の早稲田緑さんのお話を聞きながら目的地に向かいます。
早稲田さんは総務省の地域活性事業に応募して、東京から移住された経歴の持ち主です。
木を学びに来てなぜ酒蔵?と思われるかもしれませんが、決してお酒が好きだからといった理由だけではありません(笑)
今回見学に行かせて頂いた「美吉野酒造」さん。
こちらの酒蔵では木樽を使った酒造りをされています。
また、今回お話いただいた杜氏の橋本晃明さんも吉野の木に魅せられた1人とのことで、林業も酒造も手を掛ける期間は違うけれど、工程や考え方が似ていると感じて、より山に興味が湧いたのだとお話いただきました。
今回ツアーに参加された皆さま、学ばれたことが多くあったと思います。私自身持ち帰れたことも多く、大変勉強になりました。
今回ご案内いただいた、泉谷さん、早稲田さん、前田さん、橋本さん、お忙しいところ誠に有り難うございました。
(スタッフ 久保)
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