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わせ

Ms ARCHITECTSエムズ建築設計事務所

エムズ日記BLOG

2020.03.06

数年前に改修を行った住宅の撮影 ~書籍「 Ms住宅改修の仕事 」出版のために

去る2月17日・18日、畑拓さんに、数年前に改修された2つのお住まいを撮影して頂きました。
今年、「 Ms住宅改修の仕事 」と題した本を出版することになり、そのための撮影です。

1日目は、2014年に改修工事を行った「四恩庵」。住まわれて丸5年が過ぎました。
床の厚さ30㎜の杉板も、とても良い色になっています。

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「四恩庵」と名付け、愛着を持って住まわれた元の建て主から譲りうけ、時間をかけて改修を実現させたことなど、思い出話に花が咲きました。

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休憩時間には、甘くて温かい手づくり「ぜんざい」。自前の餅つき機でつかれた御餅も入っています。畑さんも「大好物です!」とニコニコ顔で頂いています。
お料理上手の住まい手さんからは、この日も時短料理のあれこれを教えて頂きました。

2日目は、2007年に改修工事を行った、奈良市の「春庭すまい」です。
この日は今年一番の寒波という天気予報のとおり、寒い朝でしたので、畑さんのいでたちも完璧な防寒コートで、消防士のようです。

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畑さんは、「曇り予報なのに、文子さんが来ると晴れてくる!」とおだててくれますが、私は晴れ女というほどでもないので、この「春庭すまい」のご主人こそが、晴れ男であったことで落ち着きました。

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こちらも、12年が経って、床の赤松が本当にいい色です。
この床板は東北岩手の赤松で、この数年後の2011年、床板を生産する工場が東日本地震で被災されましたが、被災後も、応援も込めて何度か使わせていただきました。
時間が経って飴色に変化していくという、木の魅力。
「 時間と対話する。」という今回の本のテーマに、はまります。

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浴室のサワラの壁板も綺麗でした。
お手入れ方法も奥さまから伝授。合わせて床のお掃除など、お手入れ方法も聞き出しました。
これら、現在、設計・施工中の住まい手さんにフィードバックさせて頂きます。住まい手OBさんは、まさに良き先生なのです。

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リビングから庭を眺める位置に、最近購入されたというピーコックチェアーをセットするMs新井さん。畑さんの位置を指示する声に、慎重に椅子を動かしています。それを見守る
住まい手のご主人。

今回の撮影を「良い記念になりました。」と喜んでくださる住まい手ご夫妻の言葉に、私たちが気持ちを込めて治した家を、とても大切にしてくれている… としみじみ実感して、嬉しく幸せな気持ちになったのでした。

三澤文子