住みつなぐ
時を超えて住みつなぐ、
家族の時間の詰まった家を、そんなふうに大切に受け継いでいけたら、
とても素敵なことです。
大阪府豊中市で現在、改修を行っているK邸は
所長三澤康彦が今から27年前に手がけた住まいです。
2つの方形屋根の棟が角度をつけてつながる少し変わったプラン。
2つの棟の間に立つと、角度のついた室内の間取りが目に楽しく、
飴色になった無垢杉の柱や梁が、大きな樹の下にいるような気持にさせてくれます。
このプランを活かしつつ、これから迎える老後に向けて、
より豊かに、暮らしやすくするための改修工事の真っ最中です。
秋から始まった工事は、羽根建築工房の腕のいい大工たちの手によって
解体、傷んだ部材の取替え、構造補強と、しっかりと進められています。
家の中には立派な棟札があり、
上棟した日付、当時かかわった工務店の名前、
そしてMs建築設計事務所の名前が刻まれています。
27年越しに見る住まいに、
若き日に奮闘した自分の姿がどう映っているのでしょう。
きっと色んな思いがありつつ、
でも長年家族を守ってきた家に対する誇りが胸に灯っているのではないでしょうか。
今はまだ若い私たちスタッフも、いつかそんな幸せな機会が持てたらと思います。
今回の改修では、間取りの変更だけでなく、
耐震・構造補強、温熱環境の向上など、
現代の住まい方にあった新たな要素も付け加えられます。
次の何十年を住みつなぐ力を得る改修。
完成が待ち遠しいです、また続報をお待ちください。
スタッフ:近藤