寒冷地の建て方 ~山梨県北杜市K邸~
昨年11月に着工した山梨県北杜市K邸。施工は長野の北澤建築さん。
今年は雪が多く天候が心配でしたが、先週無事に上棟を迎える事ができました。
基礎工事・土台敷きから上棟式までの様子をご報告させていただきます。
2014年11月~2015年1月:基礎工事
真冬の基礎工事。
コンクリートの凍結を防ぐため、ムシロや煉炭を使用して念入りに養生を行います。
2月上旬:建て方直前の積雪。。。建て方に向け、まずは雪掻き・氷除去・基礎内の掃除です。
2月10日(火)~12日(木)
雪掻き・基礎掃除を必死に行っていただき、無事に土台敷きが始まりました。
土台は岐阜トーモクセンターさんのヒノキです。
富士山を望むことができる建物南側にはほとんど壁がありません。
岐阜のTE-DOCさんに構造計算をしていただき、ラーメン構造を採用することにしました。
ラーメン構造は大断面の柱・梁を16mmのボルトで緊結し門型のフレームをつくります。
基礎と柱の間には特注金物(下写真)を使用しています。
2月13日(金)
朝7:00、寒い中、大工さん達がトラックに材料を積んで現場へ向います。
本日午後より建て方開始です。
天気は晴れ。次々と柱が立っていきます。Jパネルを柱に落とし込み、梁を掛けていきます。
ほとんどの構造材は根羽村森林組合さんの材料です。大黒柱はMOK支給の栗材です。
ラーメンフレーム柱頭部分にM16ボルトを差し込んでいます。
2月14日(土)
塔屋部分まで建ちあがりました。
2月16日(月)
屋根にJパネルを張っていきます。
構造材・Jパネルがそのまま仕上げとなるため、建て方が終えた段階でおおよその室内空間が見えてきます。下写真はリビングの天井の様子です。
栗の大黒柱(MOK支給)、垂木(永田木材さん)、ラーメン架構の柱・梁(根羽村森林組合さん)が見え、木の空間ができていきます。
ラーメンの梁は120×330×6Mという大きな材料ですが、節が少なく大変きれいな材です。
垂木は75×210芯去り材。大変きれいな材料です。
2月17日(火)
この日から私も現場に同行させていただきました。
束を立て、床下地合板を張る準備が進められています。
斜面地のため、床下の一部は1.5m近くあります。
雪が舞う中、デッキ工事も着々と進んでいきます。
2月18日(水)
上棟式当日。この日は朝から大雪。。。
夕方、住まい手さんと三澤夫妻が現場に到着すると、不思議な事に日が差し始め、上棟を祝福するかのようにすっかり快晴になりました。
晴れ男という三澤康彦氏のおかげかもしれません。
床に合板を置き、室内の様子がよく分かるようになりました。
上棟式の様子です。棟梁の素敵な祝詞を聞きながら、竣工まで無事に工事が進むことを祈ります。
棟梁をはじめ多くの方々によってここまで工事が進められてきました。
大工さん方は大変仲が良いです。
大工さん個々の技術はもちろん、チームワークの良さによって順調に工事が進んでいるという事がこの数日間で感じられました。
上棟式後、現場近くのお店にて住まい手さんが「なおらい」を開いてくださいました。
住まい手さんの新たな家の想いや現場のあれこれをお聞きし、大変楽しい時間を過ごさせていただきました。
6月末の竣工に向け、今後は造作工事が始まっていきます。
これからも長いお付き合いになりますが、今後ともよろしくお願い致します。
MSDスタッフ佐治