昨年9月に着工した畷のいえの改修工事。(清祓い式の様子はこちら)
当初は新築にするという話もありましたが、古くからの建物の趣を残したいということで、改修をすることになりました。
△改修前の建物(推定築180年)
改修に当たって、室内の床の段差解消、屋根の整理、耐震補強、断熱補強を行いました。
元々立派な柱・梁が通っていましたので、利用できる古材は利用しました。
とはいえ、柱が傾いていたり、雨漏りで劣化しているところは大工さんに直して頂きました。
1階部分の改修工事は、既存部との取り合いや、基礎新設工事で手間がかかりましたが、それでも施工して頂いた木又工務店さんの技術や段取りの良さには驚かされました。
(基礎工事の様子はこちら)
約8か月の工事を行い、先日5月12日、引き渡しができました。
カメラマンの畑拓さんに撮って頂いた竣工写真が出来上がりましたので、ご紹介します。
こちらはドローンで撮って頂きました。中央の茶色い板金屋根の家が「畷のいえ」です。
改修前がこちら。(googlemapより)
瓦葺き屋根は全て撤去し、板金葺きとしました。
入り組んでいた北側の屋根も整理されました。
元々の藁ぶき屋根+又首(さす)構造を解体し、新規床梁を載せ、2階部分は新築と同じように組み立てました。
(上棟の様子はこちら)
2階は居室として使えるよう、新たに開口部やミニキッチンを設けています。
1階の茶の間から応接間を見たところ。
茶の間の天井は既存のまま。造作照明は大工さんに作って頂きました。
座敷。中央には手持ちの仏壇が入ります。
板間(寝室)から座敷を見たところ。右手のカーテンの奥は収納になっています。生成(きなり)のひだ無しカーテンが建物と良く合います。
北側の離れに繋がる渡り廊下。左手の金輪継ぎの柱は古材を黒く塗装し、コントラストをつけました。
建物西側は全てパントリーとして、収納空間としました。もともとは、キッチンと土間収納でした。
こちらは、1階キッチンです。
IHやレンジフードは既存のものを再利用しています。
キッチン~茶の間(食事所)が近くなり動線短縮になりました。
室内、外部ともに段差だらけだったのですが、室内段差はほとんど無くなり、さらに北側からは段差無しで建物アプローチできるようになりました。
夜景も撮影して頂きました。
住まい手のご理解や工務店の協力があり、無事に完成した「畷のいえ」。
今後も年月を重ねて、美しく歳をとっていくことを願います。
Msスタッフ酒谷