川上村のヒノキの伐採~おじいさんの山の木を使った家づくり
とうとう12月に入り、師走ですね。
今年も残すところあと1ヵ月です。
そして11月末、私は、気が付けば山にいました。
MOKスクールツアーでも行った奈良県、川上村の山です。
今回は、Msで設計を行う物件の住まい手さんご一家と一緒に、山へ伐採の様子などの見学に来ています。
今回、伐採をしていただく方はこの方!
林業家である東辻秀和さんです。
この方は、住まい手さんのお母さんのいとこににあたる方。
今回案内いただいたのは、東辻さんが管理している 住まい手さんのひいおじいさんの山です。なんと100年生以上の檜を3本、伐採し進呈くださるとのこと。
それで、ご家族みんなで、伐採の現場を立ち会うことになったのです。
当日は山見学の集合場所で、ウェルカム焚き火をして、私たちを迎えてくれました。
焚き火で体を温めて、いざ山へ。
少し勾配のある道も通り、林道を進んでいき、目的の場所へ。
今回、プレゼントということで、この場で木を指定して、実際に伐採してもらえます。
住まい手さんも、どの木が良い育ち方をしている木か悩みながら、決めていきます。
3本の檜を選びました。
選んだ木のうち、代表の1本に向かって全員で二礼二拍手一礼を行います。
その後、伐採する木の周りにお米と水を撒いていきます。
いよいよ伐採です。
とその前に、準備をしていきます。
伐採する木と切り倒す方向にある木の両方に縄をかけ、結んでいきます。
そうすることで、切り倒す方向に引っ張ることができるので、より正確な方向へと倒すことが出来ます。
写真の、手前にいる迷彩柄の作業着の方は、東辻さんの息子さんで、ナオキさんです。
東辻さんの後継者として、林業を親子で行っています。
ヒデカズさんが切って
ナオキさんがテンションをかける。
お二人の連係プレーで伐採していきます。
伐採した後、切り口からはとても濃厚な匂いがします。
こんなに濃厚な木の匂い、普通に生活していても中々嗅ぐ機会はないですね。
みんなで木目を見たり、触ったりしています。
私はひたすら年輪を数えて、大体樹齢150歳かなと思い、東辻さんに聞いたところ140歳程の樹齢とのことでした。おしい?です。
三澤が事務所玄関に飾る為に檜の枝を持って帰っているところをパシャリ。
そんなこんなで元来た道を戻り、再び焚き火をしていたあの場所へ戻ると….
今回の山の案内人の一人である高垣真堂さんが、ひと足先に鴨鍋の準備をしてくれていました。
高垣さんも住まい手さんのご親族にあたる方です。
鍋に使うダシもご自身で作ったものを持参してくださっています。ありがとうございます!
そして、目の前には絶景が
皆さん歓談しながら鴨鍋を堪能しています。
私も鴨鍋を食べつつ、ウロウロしているとこんな石碑が…
東辻さん協力のもと行われた木魂会の 故 西岡常一棟梁の生誕100年記念植樹の石碑を発見しました。
Msの代表であった故三澤康彦氏は生前、故西岡常一棟梁の追悼文を寄稿しています。
この山の中でもMsと繋がりが見えたことに驚きました。
手前にあるのが、記念植樹された檜です。
今回、実際に伐採を間近で見れる住まい手さんにとっても私にとっても貴重で盛りだくさんな一日となりました。
実際に伐採を見た木が自邸に使われるというのは、愛着も湧きやすいのではないでしょうか。
残したい家と思われるように材料だけでなく、設計もこれからさらに尽力して参ります。
皆さん大変ありがとうございました。
スタッフ宮本