接合部の構造実験を行いました
岐阜県内の材木屋さんから接合部の構造実験の依頼があり、地震などで柱が引き抜かれる力に対し、どれくらい耐えられるかを実験しました。
建物の隅角部にある柱と内部にある柱を想定し、実験を行いました。
上の写真は内部柱タイプの仕様です。
下の写真は隅角部柱タイプの仕様です。
実際の建物では、隅角部の柱は内部柱よりも引き抜き力が強くかかるため、仕様を分けて実験を行いました。
実験はゆっくりと力を加えていき、最後、接合部が破壊するか、30mm以上柱が引き抜けるまで行います。
実験開始から終了まで、時間にして約30分、途中「パキパキ」、「カツカツ」など、木材が割れる音や、釘の引き抜けている音が聞こえてきました。
上の写真は内部柱タイプの実験終了時の破壊状況の写真です。
下の写真は隅各部柱タイプの実験終了時の破壊状況の写真です。
写真のように、破壊状況はどちらも「金物の変形」、「釘の引き抜け」、「土台の割れ」でした。
参考までに、土台と柱の接合部に金物を使用せず、「木は木で締める」という言葉のとおり、込み栓を用いた場合の耐力と、一般に市販されている金物(山形プレートやL型金物等)を用いた接合部の耐力では、仕様にもよりますが、込み栓のおよそ1.5倍から3倍程度あります。
実験のメリットは、実際の耐力が分かる事ももちろんですが、普段ではなかなか見られない壊れる様子を見ることができ、破壊して初めて分かる事や、接合部の改善点などに気づくことが出来るところにあるのではないでしょうか。
MSD美濃では、接合部の実験の他に、耐力壁や水平構面の実験も行うことができます。
こんな耐力壁や接合部を考えたから実験してみたい。という方は是非ご連絡下さい。
また、Ms日記にて実験の写真の公開等、快く承諾して下さいました担当の肥田様、誠にありがとうございました。