「家で穏やかに暮らすこと」ができる。~楓の家からのうれしいおたより
未だ、緊急事態宣言が発令される前の、3月30日、雑誌「住む。」の取材・撮影の御供で、楓の家にうかがいました。
楓の家は、2011年に竣工しているので、築9年、来年が10年メンテナンスですが、楓の家の住まい手さんは、この9年の間、何回か、細かく手を加えて、家族の暮らしに合った住まいに育てておられます。
時には、プロの手を借り、時にはご夫妻の手づくりで。
そんな暮らし方が、つくり手である私たちの願う「家の育て方」だとつくづく感じます。
北側道路側に玄関がある楓の家は、通り土間があるお蔭で、来訪者である私たちも、自分の靴で南庭をウロウロすることが出来ます。
右手に見える楓の木、建設前からここにあったものです。種類はノムラカエデ。未だ3月末なので、残念ながらあの真っ赤な葉っぱはついていません。
同じく建設前からそこにあった、フェンスの前に、ご主人手づくりの薪棚があります。
この家に引っ越す時に家族の一員になった柴犬の虎太郎は、すでに9歳。凛々しい立ち姿です。
庭の東側は、畑やぶどう棚がある「働く庭」
Ms の庭づくりの理想形は、「農家の庭のように、【働く庭】と【眺める庭】のコラボ」なのです。(広い庭がとれない都会では、なかなか実現できませんが。)
その【働く庭】に、虎太郎のような犬がいて・・・絵になる理想の庭。懐かしさを感じる庭が、私の理想なのかもしれません。
なんだか雰囲気がよいな。と思い、良く見れば、古いフェンスの青い部材に半割りの竹が括りつけられています。
お聞きすると、ご夫妻でご一緒に、発案~作業をされたとのこと。
ちょっとしたことで、随分違うものなのです。
そんなフェンスの手前、チューリップも今が見ごろです。
この鳥のオブジェは、竣工前の造園の際、私が造園の春蒼園さんに頼んで台座をつくってもらい、その上に飾ったもの。確か、岐阜の骨董屋で手に入れた石の鳥のオブジェです。
この鳥も、9年間、周りの草花が、色とりどりに変化していって、随分楽しませてもらっていたことでしょう。
連休明け、楓の家の住まい手さんから、メールが届きました。
試行錯誤していた、手づくりのオーニングが完成したとの ご報告のメール。お写真も付けてくださいました。
連休中は、自粛生活で、お二人の大好きな山や川などへの遠出が出来ないため、ご主人がこの機に作業に没頭、ステキな手づくりオーニングが出来たとのことです。
台所前のデッキから、西に「眺める庭」が見通せます。
そして、ノムラカエデが赤々とした葉っぱをつけています。
何処にもいかずに「家で穏やかに暮らすこと」ができる家づくりが Msの「木の家づくり」の目指すところ。
6月に発売の「住む。」夏号に、この「楓の家」が掲載されます。是非ご覧くださいませ。
三澤文子