地盤調査の立ち会い
はじめまして、今年度4月に入社しました、松岡利香です。
Ms日記を初担当させていただきます。
今回は、設計中の物件の敷地で行った地盤調査の様子をご報告いたします。
調査日は、初夏を思わせる清々しい日でした。
事務所としては昨年12月に敷地調査を行っていますが、私にとっては初めての敷地訪問となります。
まずは敷地とその周辺を歩き、敷地や近隣の状況、地勢をみました。
南側に急峻な斜面があることで、隣家が視界を遮ることがなく、広い空と遠くの景色が一望できる丘の好立地です。
街路樹が適度に成長しており、良好なまち並みを形成しています。
敷地と道路の関係を確認するために、街路樹の位置や歩道の切り下げなどを採寸しました。この情報は配置図に反映されます。
地盤調査の方法は、「スウェーデン式サウンディング試験」で、住宅地の地盤調査では、一般的に使用される手法です。
簡単に手順をご説明します。
先端にスクリューが付いている「ロッド」と呼ばれる鉄の棒を地面に突き立て、おもりを載せて、ロッドを地盤に貫入させます。地盤が固くてロッドが貫入しない場合は、おもりを段階的に増やしていき、何kgの荷重で貫入したかを記録します。
最大100kgまで荷重を加えてもロッドが貫入しない場合は、おもりを載せたままロッドを回転させて強制的に貫入させます。
深さ25cmごとに回転数を記録します。
回転数が多いほど、地盤が固くよい地盤ということです。
今回の調査深さは、最大で15mでした。
これよりも浅いところで一定の回転数を超えてもロッドが貫入しないほどの固い地盤に当たった場合、十分な地耐力があると判断し調査はその深さまでとします。
調査地点は、計画建物の四隅+中心の計5地点。
各地点の結果を比較し、極端に弱いなど異なる傾向がみられた地点については、その近傍で追加調査を行います。
今回は2地点を追加し、計7地点のデータをとりました。
最後に、土質を調べるため、深さ2mまでの土を採取しました。
沈下の可能性を検討する上で、土質も必要な情報です。
サンプルから、粘土質の地盤であることがわかりました。
地盤調査のデータと地形分類などの資料から、敷地地盤に十分な地耐力(建物を支える力)があるか否か、地盤改良の必要性などを専門家が判断します。
基本設計→実施設計→工事を経てこの敷地に建つ住宅の完成予定は、約1年後です。
完成を楽しみにしつつ、プロジェクトメンバーの一員として完成までのプロセスを着実に進めていきたいと思います。
Msスタッフ 松岡