2011.10.25
リフォーム I邸構造見学会<長期優良住宅先導事業>
大阪府藤井寺市にあるI邸の構造見学会を行いました。
改修工事が始まって約一月が経ち、構造体の補強工事も終盤を迎え、
どのように外科的手術(構造補強)を行ったのかがよくわかるタイミングでした。
もちろん現場には住まい手さんにもお越しいただきました。
図面や模型よりも、直接現場で見ていただくことが
『どのように住まいが変わったのか。』
を、理解いただく一番の方法だと思います。
最終的には壁の中に隠れてしまう構造体ですが、隠れてしまうからこそ住まいが
どのようにできているか、災害から守ってくれているのかを知っておくことが大切です。
住まいと住まい手の間に信頼関係を築く橋渡し的な役割も
設計者には求められているのではないかと思います。
写真は1階から2階床を見上げているところです。
濃い色が既存、明るい色が新設の構造材です。
色の違いでよくわかります。
隠してしまうのが勿体ない。と、心底思うほど綺麗な奈良吉野の杉材。
その床梁にさらに根太を細かく入れていますが、ちょうどこの上がご主人の趣味の部屋。
レコード、CD合せて6千枚近くお持ちなのです。(重量にして300kg超。)
この荷重を支えるために必要なものでした。
住まい手のライフスタイルに合わせ、今あるものを活かしていくリフォームには
単純なマニュアルは存在しないことを理解しました。
続いて三澤が説明しているのが基礎・土台の防腐・防蟻塗装についてです。
白く見えるのがそれで、抗酸化リバースコートという珪藻土を含んだ塗料です。
人に害はなく、内装材としても使用されているそうです。
形だけでなく、本当に長く住み続けられる良い家の普及のため
見学会は大きな意味を持っているのだと思います。
(スタッフ:戎野)